「高圧法低密度ポリエチレンのパイロット試験資料」が国立科学博物館「重要科学技術史資料」に登録されました

 化学研究所所蔵の「高圧法低密度ポリエチレンのパイロット試験資料〜ポリエチレン製造技術開発の先駆的資料〜」が、国立科学博物館の平成29年度「重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)」に登録されました。この登録制度は、日本の科学技術の発展を示す貴重な科学技術史資料や、国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えた科学技術史資料の保存と活用を図り、次世代に継承することを目的とされています。

 登録証授与式は、9月12日、東京都上野公園内の国立科学博物館にて行われました。資料を継承してきた村田靖次郎教授が化学研究所代表として出席し、国立科学博物館長 林 良博氏より登録証及び記念盾を授与されました。期間中(9月12日〜10月22日・資料展示は9月18日まで)、国立科学博物館 日本館 中央ホールにて、記念のパネル展示および資料展示が行われます。
  また、これらの資料の一部は化学研究所の「碧水舎」の歴史展示室にも常時展示しています。

選定理由
京都大学化学研究所で、1951(昭和26)〜1953(昭和28)年に行われた高圧法低密度ポリエチレン連続工業化パイロット試験の設計図及び関連資料である。実験ノート、設備写真とガラス乾板、1954年と推定される内部報告書などが残されている。その後、規模を拡大した工業化試験設備を通産省(当時)の助成を受けた住友化学が新居浜に設置した。住友化学はこの技術開発の実績により、英国ICI社からの技術供与先となった。本資料は、日本での石油化学の技術開発を示す資料として重要である。

リンク)国立科学博物館 産業技術史資料情報センター
第10回 〜技術の歴史を未来に生かす〜未来技術遺産 登録パネル展(2017)