物質創製化学研究系
機能材料 Novel Materials
有機化学、無機化学の枠を超えた視点で「新規物質」を創製し、その構造、機能、物性を解明する。
本研究系では、各研究領域の個性的かつ独創的な研究を基礎としつつ、従来の学問領域の枠にとらわれることなく、既存の概念を越える新物質の創製という共通の目標を持って研究を展開しています。創出した新物質の特異な構造や興味深い性質の解明が、機能化学、物性化学、合成化学など幅広い分野に大きなインパクトをもたらすことを期待しています。
高周期典型元素を中心とする様々な元素間の新規な結合様式を有する反応活性種を、かさ高い置換基による立体保護の手法を用いることにより安定な化合物として合成・単離し、その性質を系統的に解明することで、元素特性の解明と新規機能性物質創製を目的とした研究を行っている。特に、高周期典型元素低配位化合物、特異な遷移金属元素錯体を研究対象とし、各元素の特性を活かした機能性分子の開発を目指している。
(村田研)
全く新しい構造をもつπ共役系有機分子を設計・合成して、その分子構造と物性を明らかにし、結晶・薄膜・デバイスにおける新機能の発現を目指している。特に、「新しい開口フラーレンの合成と内部への小分子の取り組み」、「孤立単分子の性質解明」、「キラルなπ電子系から生まれる分子物性の開拓」、「ヘテロ元素を有する新しいπ共役系の構築」に関する研究を行っている。
(大宮研)
新触媒・新反応・新機能を有機化学的な研究手法で創りだし、創薬・生命科学研究の未来を切り拓くことが目標です。最優先課題は、入手容易な炭素資源から高い付加価値をもつ有機分子を最短工程で組み上げていく有機合成プロセスの開発に貢献するとともに、我々が手にできる有機分子の多様性・複雑性を拡大していくことです。
(寺西研)
無機(金属、金属カルコゲニド、金属酸化物)ナノ粒子の一次構造(粒径、形状、組成、相分離様式)および二次構造(空間規則配置)の精密制御を通じ、閉じ込め電子数、電荷密度、電荷振動波長、励起子寿命、スピン、触媒能の制御を行い、革新的エネルギー機能(室温単電子輸送、高効率フォトン濃縮、長寿命電荷分離、磁気交換結合、可視光水完全分解)材料の創出を図っている。