生体機能化学研究系

バイオ Bioscience

生物現象を化学の切口で解明し、生体の認識、応答、合成などの諸機能を、物質創製に活かす。

本研究系では「細胞機能・遺伝子を制御する生理活性タンパク質の創製(二木)・植物ホルモンの探索や生合成と受容機構の解析(山口)・植物および植物細胞の精緻な形態形成機構の解明(生体分子情報)・新しいタイプの生理活性化合物の発掘とその新しい利用法(上杉)」などに取り組んでいます。


(二木研)

当研究領域では、主に細胞機能・遺伝子を制御する生理活性タンパク質の創製を目指した研究を行っている。新しい細胞内物質導入法として注目される「細胞膜透過ペプチドベクターの開発とメカニズムの解明」、「生体膜の構造変化を誘起するペプチドのデザイン」および、細胞内での遺伝子情報の人為的なコントロールに向けた「配列特異的核酸結合タンパク質のデザインと細胞機能の制御」に取り組んでいる。

 

(山口研)

植物の生長や環境応答には植物ホルモンと呼ばれる低分子化合物群が重要な役割を担っている。私たちの研究室では、植物ホルモンが生体内でどのように作られ(生合成)、どのように働くのか(受容・情報伝達)を、化学的視点からの研究と生物学的手法を組み合わせて明らかにする。また、突然変異体の解析から存在が示唆されている新しいホルモン様物質の探索を行う。

 

 

高等植物は可塑性を活用して変化する環境に適応している。私たちは、この可塑性に関わる遺伝子発現制御機構および細胞内シグナル伝達の分子基盤を解明している。具体的には、(1)COP9シグナロソームを介した遺伝子発現制御機構、(2)植物細胞の形態形成におけるリン脂質シグナルによる制御機構など、動植物に広く存在する普遍性が高い制御機構の分子メカニズムの解明を目指した研究をしている。

 

(上杉研)

人間の歴史の中で、生理活性小分子化合物は人間の疾病を治癒し、生命現象を解く鍵となり、医学と生物学に貢献してきた。ユニークな生理活性を持った有機化合物を発掘したり設計したりすることは、有機化合物を起爆剤とした生物や細胞の研究を可能にする。私たちの研究室では、様々な生命現象を変調するユニークな生理活性有機化合物を見つけ出し、それらを道具として生命現象を探究し、制御している。