ナノ粒子が分解・溶解する過程を蛍光色の変化で可視化 ―東北大発「キャリアフリーナノ医薬品」の 実用化に向けた新たな解析技術―

公開日:2026年9月10日
本研究は、2026年9月6日付で、国際学術誌「Advanced Science」に掲載されました。 

 ナノ医薬品の設計・開発では、投与した薬物が細胞内へ取り込まれ、いつ、どのように分解・溶解して作用するのかを正確に把握することが重要です。しかし、細胞内に取り込まれたナノ粒子が分解・溶解する過程をリアルタイムかつ定量的に追跡することはこれまで困難でした。
 京都大学化学研究所 若宮淳志 教授は、東北大学多元物質科学研究所 笠井均 教授、谷田恵太 助教、濵口祐 准教授らと、北海道大学電子科学研究所 雲林院宏 教授(兼:京都大学高等研究院物質-細胞統合システム拠点(iCeMS))、Taemaitree Farsai 助教、東北大学大学院医学系研究科 中澤徹 教授、佐藤孝太 助教、理化学研究所 放射光科学研究センター 米倉功治 グループディレクター(兼:東北大学多元物質科学研究所 教授)、博士・勝部哲 特別研究員、博士・川上恵典 研究員、東京科学大学理学院 火原彰秀 教授、県立広島大学 小関良卓 准教授、仙台高等専門学校 鈴木龍樹 助教との共同研究で、ナノ粒子が細胞内で分解・溶解する過程を「蛍光色の変化」というシグナルに変換して直接観察する新たな技術を開発しました。
 本成果は、ナノ医薬品の分解・溶解する過程を定量的に解析する新たな基盤技術となり、次世代ナノ抗がん剤の実用化へ、大きく貢献することが期待されます。

 

図1. 光の色の変化でナノ粒子が細胞内で溶けた割合を測る仕組み
 

●用語解説●

ナノ抗がん剤:100 ナノメートル(1 万分の1 ミリ)程度のサイズで製剤化した抗がん剤。

 
 
研究領域情報
分子集合解析