放射光で可視化した再生ポリプロピレン内部の異物―アルミ泊・PETフィルムが機械特性に与える影響―
公開日:2026年1月5日
本研究成果は、2026年1月2日に米国の国際学術誌「ACS Sustainable Resource Management」に掲載され、掲載号のSupplementary coverに採択されました。
ポリプロピレン(PP)は家庭用容器や包装に広く用いられていますが、一般廃棄物由来の再生PPでは、引張特性、特に破断伸びが著しく低下し、大きなばらつきを示すことが課題となっています。 そこで、京都大学化学研究所 小川紘樹 准教授、柴﨑和樹 助教、竹中幹人 教授、ならびに東北大学、富山環境整備株式会社からなる研究グループは、大型放射光研究施設SPring-8を活用した放射光X線コンピュータ断層撮影(CT)およびX線回折(XRD)解析などを組み合わせて再生PPの破断を評価しました。その結果、再生PP中に残留するアルミ箔およびポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムといった比較的大きな異物が混入することで、極端な破断特性低下を引き起こす主要因となることを明らかにしました。本研究は、一般廃棄物由来PPの機械的不安定性の本質を構造的に示すとともに、高信頼性を有するポストコンシューマーPP材料の開発や、より高度な選別・精製プロセス設計への展開が期待される成果になります。

●用語解説●
ポリプロピレン(PP):軽量で機械的特性、耐熱性、耐薬品性に優れた熱可塑性プラスチックで、家庭用容器や包装材などに広く使用されている。
再生ポリプロピレン(再生PP):使用後に回収されたポリプロピレン製品を再処理して得られる材料。
PETフィルム:ポリエチレンテレフタレート(PET)から作られる薄膜状のプラスチック材料で、食品包装材やラミネート包装、ラベルなどに広く使用されている。
研究領域情報
高分子物質科学
高分子物質科学
京都大学 化学研究所
国際共同利用・共同研究拠点