鉄触媒を用いた多成分ラジカルカスケードカップリング:1,3-エンインから多様なアレンの簡便合成法
公開日:2025年12月15日
本研究は、2025年12月5日に米国化学会「The Journal of Organic Chemistry」に掲載され、表紙に採用されました。
京都大学化学研究所 陸思鳴 特定研究員、磯﨑勝弘 准教授、中村正治 教授らの研究グループは、鉄触媒を用いた1,3‐エンインに対するリチウムアリールボレートと非活性化アルキル求電子剤の1,4‐アルキルアリール化が効率良く進行し、多様な多置換アレンが高収率、かつ優れた位置選択性で得られることを見出しました。これまで、ニッケルと銅触媒を用いた1,3‐エンインに対する種々の1,4-二官能基化反応が開発されてきましたが、鉄触媒を用いる1,3‐エンインのラジカルカスケード多成分反応は報告例がありませんでした。本研究では、鉄―ビスホスフィン錯体FeCl2(NiXantphos)を用いることで、同反応が高効率で進行することを初めて明らかにしました。また、本反応は高い位置選択性、優れた化学選択性、広い官能基許容性を示しており、広範な基質適用範囲を備えた多置換アレンの選択的合成を可能にすることを見出しました。

研究領域情報
有機分子変換化学
有機分子変換化学
京都大学 化学研究所
国際共同利用・共同研究拠点