第19回化学研究所 公開講演会

平成24年度 化学研究所 公開講演会 (PDFはこちら)

10:00~10:40

植物細胞の形づくり

青山 卓史教授

植物は我々の身 の周りでさまざまな造形を見せてくれます。それらの多くのものは生物の構成単位である細胞の形に基づいています。実際に植物の表面を走査電子顕微鏡で観察 すると、変化に富んだ細胞の形を見ることができます。このような細胞の形はどのようにして作られるのでしょうか。本講演では、シロイヌナズナの根毛細胞を モデルケースとして、植物細胞の形づくりを制御する分子メカニズムの一端を紹介します。
10:40~11:20

人間の役に立つ
 有機化合物の合成

年光 昭夫教授

癌を予防することは難しいかもしれないのですが、早期診断を可能にすれば、人類の幸せに大きく貢献できると思います。私たちが理想とする有機化合物の例を挙げます。人間に投与してMRIを測定すると、
1 癌組織が存在すると、その部分だけが画像として撮影されます。
2 幸せにして癌組織がないと、何も写りません。
こんな有機分子を設計し、実際に合成し、どの程度有効に働くか評価しています。
11:20~12:00

小さな世界の金属

寺西 利治教授

私たちの身の回りにある金属は、高い電気伝導性や美しい光沢など独特の 性質をもち、様々な分野で利用されています。それでは、金属をどんどん小さくしていっても、私たちが知っている金属の性質を示すのでしょうか?本講演で は、ナノメートルという微小世界における金属の合成方法やユニークな性質についてご紹介します。