化学研究所創立80周年記念歴史展示 「終わりなき知への挑戦」 ー過去、現在そして未来へー

平成18年10月3日(火)〜11月5日(日)
(但:10月22日は臨時閉館)
於:京都大学百周年時計台記念館 歴史展示室(企画展示室)
9時30分〜17時00分、入場料無料


京都大学化学研究所80年の歴史を振り返り、これを明日への糧とすべく記念展示を行います。特効薬サルバルサンの合成、わが国初の人造繊維ビニロンの開 発、世界に先駆けた電子顕微鏡開発、現在のナノテクノロジーへとつながる酸化鉄研究のあゆみなど、科学の発展と社会生活の向上に努めてきた化学研究所の足 跡を辿ります。
●化研の創成期 ー産業界の要請に応えるベンチャーラボラトリーとしてー
第一次世界大戦のため輸入が困難となった医療用「サビオール」の製造と研究や、国内初の合成繊維の開発。昭和初期から第2次世界大戦前後の日本で、社会に要請されたサイエンスに取り組み続けた化学研究所の原点を探ります。
●原子核研究の歴史 ーサイクロトロンの再建ー
第2次世界大戦後、米軍の指示によって取り壊された京都大学のサイクロトロン(円形加速器)を、化学研究所は1955年に再建します。原 子核科学研究に尽力しただけでなく、広島の原爆や、第五福竜丸事件の被爆調査など、原子核科学に挑み続けた化学研究所の研究者たちを紹介します。
●金属酸化物の研究のあゆみ
1963年、酸化鉄微粒子に関する研究が始まりました。この研究成果は学術的であると同時に大きな産業的価値をもつものであり、化粧品、 顔料、オーディオ・ビデオテープ、磁気ヘッド、黒色トナー粉、重金属廃水処理システムなどが実用化されました。この研究は現在でも、日本伝統の備前焼「緋 襷」の微細構造解明などの「色」の研究をはじめ、「磁性」、「超伝導」など多彩な分野で世界をリードしています。
●高分解能電子顕微鏡開発の歴史
日本が世界に誇る高分解能電子顕微鏡の開発。化学研究所は時代ごとに最新の大型電子顕微鏡を導入し、世界で初めて原子像の撮影に成功するなど、世界のトップを走り続けています。
●宇治キャンパスへ ー現代、そして未来へー
1968年に拠点を宇治キャンパスに移した化学研究所では、日本の遺伝子工学の先駆けとなるDNA解析施設が整備され、人工骨研究へとつ ながる結晶化ガラスの研究など、日本の科学の最前線を進む存在となっています。決して終わることのない、科学者たちの「知への挑戦」の一端を紹介します。
  
展示室の様子

お問い合わせ

化学研究所 担当事務室
   Tel:0774-38-3344

化学研究所ホームページ
   http://www.kuicr.kyoto-u.ac.jp/index_J.html