第17回高校生のための化学-先端高度研究の一端を学ぶ-

主 催: 京都大学化学研究所
協 賛: 公益社団法人 日本化学会 
後 援: 京都府教育委員会、滋賀県教育委員会、奈良県教育委員会、大阪府教育委員会、兵庫県教育委員会、京都市教育委員会、宇治市教育委員会、城陽市教育委員会 
日 時: 平成26年7月26日(土)
10時30分(開場10時)~17時00分

会 場: 京都大学宇治キャンパス 化学研究所
共同研究棟 大セミナー室 総合研究実験棟CB-215,CB-217および各見学サイト(研究室、研究施設など)
(10時30分までに共同研究棟 大セミナー室 総合研究実験棟CB-215,CB-217にお集まりください。)
〒 611-0011 宇治市五ヶ庄      JR奈良線または京阪宇治線「黄檗(おうばく)」駅下車、徒歩約 7分
〔アクセスマップなどはこちら〕 〔会場への地図はこちら〕
対 象: 高校生
 京都大学化学研究所は次代を担う高校生に、化学(広くは科学)の奥深さと高度研究の醍醐味をより一層深く理解していただくため、「高校生のための化学」を開催しています。化学(科学)に興味をお持ちの意欲的な高校生の積極的な応募をお待ちいたしております。
 なお、開催趣旨に従いまして、対象は高校生に限定しております。また、中学3年程度およびそれ以上の理科を理解していることが望まれます。
自主的意欲的な学生を対象としておりますので、できるだけ教員、引率の参加はご遠慮ください。
参加費: 無料
プログラム:午前中は化学研究所の高谷 光准教授による講演を行います。午後からは複数の見学サイトの中から、1カ所を訪問し、最先端の研究現場を見学・体験します。
詳細なプログラムおよび選択可能な見学サイトはこちら
参加者には後日実習レポートを作成していただき、8月2日(土)までにご提出いただいた方に修了証を授与します。 また、特に優れたレポートを作成した方に最優秀賞、優秀賞を授与します。     定 員:98名
(※ご希望のサイトが定員を超過している場合は、別のサイトに参加していただきますので、あらかじめご了承ください。)
申込期日:平成26年7月7日(月)必着 
申込方法:登録フォームに必要事項を記入のうえお申し込みください。
受付は原則、先着順とします。ただし、同一高校から多数の申し込みがあった場合は、参加者数を制限させて頂くことがありますので、あらかじめご了承ください。
受講の可否につきましては、自動メールにてご連絡いたします。メールが届かない場合は、電話 (0774-38-3350)にてお問い合わせください。
*「uji.kyoto-u.ac.jp」のドメインからのメールを受信できるように設定してください。
申し込みはこちらから
問合せ先:京都大学 宇治地区事務部 研究協力課「高校生のための化学」担当
E-mail:kokai@uji.kyoto-u.ac.jp
個人情報について:申し込みの際にご記入いただきました個人情報につきましては、厳重に管理しますとともに、第17回高校生のための化学の開催のみに使用し、他の目的に使用することはありません。     

プログラム


ポスター(PDF)

10:00
開場(共同研究棟 大セミナー室総合研究実験棟CB-215,CB-217にお集まりください)
10:30-11:00
概要説明
 ・所長挨拶
11:00-12:00
「講演 : 元素周期表を眺めてみよう」(詳細はこちらから)
准教授 高谷 光
12:00-13:00
「昼食休憩」
※当日、大学生協の食堂が営業していますので、ご利用ください。
13:00-13:30
各サイトの説明・移動
13:30-16:30
サイト見学と研究体験・自由討論
見学サイト(1 2 3 4 5 6 7 8 9)からお選びください
16:30-17:00
質疑応答・アンケート記入
講演
  元素周期表を眺めてみよう 准教授:高谷 光
  皆さんは、身の回りのほとんどの元素が夜空に輝く星々(恒星)の中で作られていることを知っていますか?この講座では周期表にたくさん並んだ元素がこの宇宙でできた仕組みや、生命の元になるアミノ酸や核酸が宇宙空間に漂うガスの中で作られる仕組みを易しく解説します。

見学サイト
(以下の9つの見学サイトから希望を伺い、当日は1つのサイトを体験・受講していただきます。)

1分子がつくる半導体 ― その中の電子の振舞い (有機固体物性)

エレクトロニクスを担う半導体と言えばシリコンがまず挙がるでしょう。しかし、有機物の分子がつくる半導体も、60年ほど前に発見され、今や、エレクトロニクスの一翼を担う時代を迎えています。分子が集まってできる有機半導体について、化学的な特徴や光による物理的な効果などを、その中の電子の振舞いに注目して考えてみませんか。そして、その先に何を期待するか、研究室のメンバーと一緒に思い描いてみてください。

2 光の性質と分子集合系の構造 (物理化学)

分子は原子がつながってできていますが、そのつながり方(分子構造)はどのようにして実験的に決めるのでしょうか。高校化学では、元素分析によって炭素・水素・酸素の原子数の比を求める手法を習いますが、それだけでは構造は決まりません。分子の化学結合が光を吸収する性質を使うと、この問題に取り組めます。物理で習う光と化学は密接な関係にあるのです。大学化学の代表的な一分野である、この考え方の入り口を紹介します。

3 微生物の環境適応と酵素の化学 (微生物化学)

微生物は35億年の進化の過程で生息域を広げ、今では地球上のほとんどあらゆる環境に生息しています。当見学サイトでは、南極の細菌など 極限的な環境に生育する微生物の環境適応の仕組みと、これら特殊環境微生物が生産する有用酵素について紹介します。また、ホタルの発光酵素(ホタルルシフェラーゼ)を使った酵素反応実験を通して酵素反応の基本原理を理解していただきます。

4 炭素からなる曲面構造分子の合成―未来の炭素材料をつくろう (有機化学)

フラーレンやカーボンナノチューブに代表される、炭素からなる曲面構造を持つ分子は、さまざまな優れた特徴を持つ未来の材料として研究が進められています。そのなかでも最近合成が達成された、カーボンナノチューブの一輪(単位構造)に相当する、ベンゼン環が環状に連結された「シクロパラフェニレン(CPP)」は、非常に大きな注目を集めています。本サイトでは有機化学的方法を用いたCPPの合成と、その性質の観察を行います。

5 見て、触って、作って学ぶ太陽電池の科学 (ナノ光科学)

太陽光を電気に変える太陽電池は、クリーンな再生可能エネルギーとして身近なものになってきました。少しでも太陽光を有効に活用するために、今も世界中でさまざまな研究が行われています。太陽電池ではどういう原理で光から電気が作られるのでしょうか?この体験サイトでは、実際に簡単な太陽電池を作製し、その原理や特徴を理解してもらいます。また、一緒に未来の太陽電池についても考えてみましょう。

6 重い元素の世界~青いケトン~ (有機化学)

有機化合物は、一般に炭素、窒素、酸素、水素等の低周期元素からできており、生物を構成するだけではなく、日用品や薬品等、 様々な形で生活に利用されています。一方、有機化合物の構成元素を高周期元素(重い元素)で置き換えた化合物は、様々な色を持つな ど、通常とは異なる性質を示します。本サイトでは、ケトン(>C=O)の酸素を重い元素である硫黄で置き換えた「重いケトン」を実際 に合成して、どんな色を持つのかを実際に見ていただきたいと思います。

7 高分子の結晶化過程の観察 (高分子物理)

「結晶」と聞くと宝石や金属などの比較的硬い材料を想像するのではないでしょうか?柔軟性に富む材料のプラスチックも微視的に見ると結晶になっていることが判ります。実は、防弾チョッ キや自動車のバンパーなどの性能は、プラスチックの結晶によってささえられているのです。このサイトでは、顕微鏡等を用いてプラスチックが宝石にも負けないくらい美しい結晶を形づくる様子を観察します。

8 遺伝子データのコンピュータ解析 (バイオ情報学)

生物の設計図は基本的にDNA配列に書かれています。でも、その量は人間の場合でもCD-ROM一枚に収まる程度です。ちょっとしたゲームソフトより少ない量なのです。その理由はとても不思議でまだほとんどわかっていません。しかし、一部分の配列データについては、コンピュータを使ってその意味や性質を予測する方法が世界中で数多く開発されてきました。それらのプログラムのいくつかを体験していただきたいと思います。

9 高強度の光がつくる虹色(高強度レーザー科学)

光の世界といわれている21世紀の光技術の根幹を担っているのがレーザーです。太陽からの眩しい光線を虫眼鏡で集めると紙片を燃やします。そのような光線も透明な水やガラスは透してしまいます。一方、強力なレーザー光線では透明な水からなんと虹色の光が現れます。本サイトでは高強度レーザー装置の見学、レーザー光線をつかったミニ実験を通して先端光科学の一端に触れてもらいます。