第11回「高校生のための化学」-化学の最前線を聞く・見る・楽しむ会-

主 催: 京都大学化学研究所
協 賛: 社団法人 日本化学会
後 援: 京都府教育委員会、滋賀県教育委員会、奈良県教育委員会、大阪府教育委員会、京都市教育委員会、宇治市教育委員会、城陽市教育委員会
日 時: 平成20年7月26日(土)10時00分~16時30分
会 場: 京都大学宇治キャンパス
木質ホールおよび各見学サイト(研究室、研究施設など)
〒 611-0011 宇治市五ヶ庄
〔交通〕JR奈良線または京阪宇治線「黄檗(おうばく)」駅下車、徒歩 7分
対 象: 高校生および中学生、教員等
参加費: 無料
プログラム: 10カ所の見学サイトの中から、午前・午後一カ所ずつを訪問し、最先端の研究現場を見学・体験していただきます。詳細なプログラムおよび選択可能な見学サイトはこちら
定 員: 先着順約120名
(※各見学サイトには定員がありますので、ご希望に添えない場合もございます。)
申込方法: 氏名・所属(学校名)・連絡先住所・電話番号および、下記10の見学・体験サイトの中から、午前の希望サイトと午後の希望サイト(各第1希望から第3希望まで)合計6サイトを記入の上、ホームページ、電子メール、またはFaxにて、下記までお申し込みください。お申し込み後1週間以内に受付受理の連絡がない場合は、下記申込先にお問い合わせください。ご希望のサイトのうち、実際に見学できるサイトについては当日お知らせいたします。ホームページからのお申込はこちら(申込用フォーム)
申込期日: 平成20年7月15日(火)必着
申込先: 京都大学 宇治地区事務部 研究協力課「高校生のための化学」担当
電話:0774-38-3353  Fax:0774-38-3369
E-mail:kokai2008@uji.kyoto-u.ac.jp
個人情報
について:
申し込みの際にご記入いただきました「名前・所属・郵便番号・住所・電話番号・メールアドレス」の個人情報につきましては、厳重に管理いたしますとともに、第11回高校生のための化学の開催のみに使用し、他の目的に使用することはありません。

プログラム

10:00-10:30 概要説明(木質ホール3階にて)
 ・はじめに 化学研究所長 時任宣博
 ・化学研究所全体の紹介
 ・見学要領の説明
    各見学サイトの引率者の紹介
10:40-12:10 「午前の部の見学」
見学サイト(1 2 3 4 5 6 7 8 9 10)から
お選びください

12:10-13:30

「昼食休憩」
当日、大学生協の食堂は営業していませんが、昼食場所としてご利用いただけます。配布冊子とともに近隣の食堂マップもお渡ししますのでご参照ください。
13:30-15:00 「午後の部の見学」
見学サイト(1 3 4 5 6 7 8 9 10)からお選びください
15:10-16:30 「総合討論、なんでも聞いてみよう」
各見学サイトの教員、大学院生を囲んでのざっくばらんな質問受け付け、自由討論

見学サイト

1 カラフルな重い元素の世界~青いケトン~ (有機化学) 午前・午後
有機化合物は、一般に炭素、窒素、酸素、水素等の低周期元素からできており、生物を構成するだけではなく、 日用品や薬品等、様々な形で生活に利用されています。一方、有機化合物の構成元素を高周期元素(重い元素)で置き換えた化合物は、様々な色を持つなど、通 常とは異なる性質を示します。本サイトでは、ケトン(>C=O)の酸素を重い元素である硫黄で置き換えた「重いケトン」を実際に合成して、どんな色を持つ のかを実際に見ていただきたいと思います。
2 遺伝子データのコンピュータ解析 (バイオ情報学) 午前のみ
生物の設計図は基本的にDNA配列に書かれています。でも、その量は人間 の場合でもCD-ROM一枚に収まる程度です。ちょっとしたゲームソフトより少ない量なのです。その理由はとても不思議でまだほとんどわかっていません。 しかし、一部分の配列データについては、コンピュータを使ってその意味や性質を予測する方法が世界中で数多く開発されてきました。それらのプログラムのい くつかを体験していただきたいと思います。
3 肉眼でDNAを観察しよう!植物が環境に適応する秘密を探る!!(植物分子生物学)午前・午後
芽生えた場所で生涯定住する植物は、そこで生き抜くために様々な工夫をし ています。当サイトは、植物が展開するミクロの世界での闘いを、目に見える形で紹介します!簡単なスライド講義の後、生存戦略の設計図である遺伝子情報が 詰まっている「ゲノミックDNA」を各自で精製・観察します。また、環境に適応するオジギソウや食虫植物などの観察を通して、遺伝子の役割と進化を考えま す。自分の目と手で植物の生存戦略を実感して下さい!
4 微生物のバイオテクノロジー (応用微生物学) 午前・午後 
私たちの体には、およそ60兆個の細胞があるといわれています。しかし、 私たちの体の表面や腸の中にはもっと多くの微生物がいて、その数はおよそ100兆個といわれています。私たちは自らの細胞の倍ほどの微生物を住まわせてい るのです。微生物の中には病原菌もいますが、逆に非常に役立つものもあり、微生物を用いる数々のバイオテクノロジーが開発されています。本サイトでは微生 物バイオテクノロジーの現状を分かりやすく紹介します。
5 巨大分子を造って、見て、触ろう!:高分子の不思議な世界 (高分子化学) 午前・午後
原子・分子が多数つながった巨大分子(高分子)。その連結性が生み出す特 異な性質にちなみ、衣料から食品・エレクトロニクス・医療用まで、様々な高分子材料が開発され、私たちの生活を支えています。当見学サイトでは、最新の科 学技術を使って実際に巨大分子を合成したり、「体温を感じる奇妙な高分子」や「スライム」といった、巨大分子ならではの性質を体験し、巨大分子の面白さと 不思議さとを体験してみましょう。
6 見てみよう!超臨界水の世界 (物理化学、環境化学) 午前・午後
油を溶かして環境ホルモン・ダイオキシンを分解する水、超臨界水の化学を 紹介します。同じ水分子で構成されているが、普通の水とは違う超臨界水の世界を体験してみましょう。本見学会では、超臨界水とは何かについて説明し、超臨 界水がプラスティックを溶かしていく様子を直接観察します。その後、超臨界水の構造・反応を探る世界最先端の装置を見学し、超臨界水の中で実現する環境に 優しい化学反応について議論します。
7 ビーム冷却ー極低温ビームへのアプローチ (加速器・ビーム科学) 午前・午後
イオンなどの粒子が束になって一方向に進む状態、それがビームです。普通 のビームはその中で粒子がばらばらに運動する気体の状態ですが、電子ビームやレーザーによって極低温まで冷却されることで、互いの位置関係が入れ替わらな くなり、固体に近い状態へと変化します。私たちのサイトでは、加速器設備・ビーム冷却装置の見学を通じて極低温ビームの研究成果に触れてもらうと共に、装 置の一部を使ってビームの加速・分析実験を行い、ビームの運動の様子を実感してもらいます。
8 きて、みて、さわって。身の回りの物質を化学する(有機化学、天然物化学、生物化学) 午前・午後
普段何気なく接している匂いや味。どこの家庭にもある日用品やお土産のお もちゃ。身近な植物がもつ強烈な防御物質。そこにはどんな化学が隠され、利用されているのでしょう。それら化学物質を実際にさわりながら、化学の手法で調 べてみます。目に見えない分子でも、ちゃんと「見る」方法があります。百聞は一見にしかず。身近な材料や製品を使って、奥深い有機化学の森に分け入ってみ ましょう。ナビゲーターは化学好きの大学院生。
9 光る分子や固まる分子を有機合成してみよう (機能性分子、有機合成化学) 午前・午後
UV照射で光ったり,超音波照射で固まったりする分子を,金属触媒を使った有機合成反応をつかって原料の分子から自分で合成してみましょう。
10 高強度の光がつくる虹色 (高強度レーザー科学) 午前・午後
光の世界といわれている21世紀の光技術の根幹を担っているのがレーザー です。太陽からの眩しい光線を虫眼鏡で集めると紙片を燃やします。そのような光線も透明な水やガラスは透してしまいます。一方、強力なレーザー光線では透 明な水からなんと虹色の光が現れます。本サイトでは高強度レーザー装置の見学、レーザー光線をつかったミニ実験を通して先端光科学の一端に触れてもらいま す。