第18回「高校生のための化学」~ 先端高度研究の一端を学ぶ ~ を開催

 「第18回高校生のための化学」が平成27年7月25日(土)に開催されました。この行事は毎年夏に、次代を担う高校生に、化学(広くは科学)の奥深さと高度研究の醍醐味をより一層深く理解していただくことを目的に企画されています。
 暑い日差しの照りつける中、遠くは東京や九州をはじめ全国から71名の高校生が参加しました。
 午前は時任宣博所長による化学研究所の概要説明の後、上杉志成教授による講演「くすりの形」がありました。講演では、今年4月に京都大学と文部科学省から発行されたポスター「一家に1枚 くすりの形」の紹介やその制作についての話から薬化学についての説明があり、さらに、インフルエンザ治療薬であるオセルタミビルがどのようにウィルスの働きを弱めるかを説明する動画も披露されました。また、京都大学が昨年から取り組んでいる大規模公開オンライン講座(edX)講義の紹介を通して、世界中の同世代の学生達が勉学に真剣に取り組み、またそれを楽しんでいる姿が示され、参加者たちは熱心に聴講していました。
 午後からは9研究室が提供する見学サイトに分かれ、大型研究機器の見学や実験体験を行いました。次世代の発光デバイスとして期待される有機ELに用いる有機分子を合成するサイトや、シロイヌナズナのDNAの塩基配列を解析するサイトなどがありました。
 参加した高校生からは「高度な先端研究の成果が生活を便利にしていて、決して遠い話でないことが分かった」「いつも教科書でしか見ていないものを実際に顕微鏡で見ることで興味が増した」などの声が寄せられ、次世代を担う高校生たちへ科学の魅力や奥深さを伝える有意義な会となりました。

 なお、プログラム終了後、レポートを提出した方全員に修了証をお送りしました。また、特に優れたレポート作成者に授与される「最優秀レポート賞」と「優秀レポート賞」には、選考の結果、以下の方々が選ばれました。

最優秀レポート賞 樋口 舞美さん名古屋国際学園 / 3年生
   優秀レポート賞 田島 拓実さん東邦高等学校 / 1年生
           村岡 涼子さん京都府立城南菱創高等学校 / 2年生

・プログラムはこちらをクリック

 

会場入口の様子

化学研究所概要説明
時任宣博所長

「講演 : くすりの形
上杉志成教授(化研選出 iCeMS 主任研究者)」

サイト1:遺伝子データのコンピュータ解析

サイト2:重い元素の世界~青いケトン~

サイト3:分子集合系の構造と表面物性

サイト4:細胞内現象の顕微鏡観察

サイト5:炭素リング“シクロパラフェニレン”を合成しよう

サイト6:有機エレクトロルミネッセンスー光る有機分子をつくってみよう

サイト7:微生物の環境適応と酵素の化学

 

サイト8:DNA塩基配列認識の化学

 

サイト9:高強度の光がつくる虹色

 

講評・質疑応答・アンケート記入