ボン大学 Institut für Anorganische Chemie と学術交流協定を締結

 化学研究所とドイツのボン大学・無機化学研究所(Institut für Anorganische Chemie)は、広く相互協力することにより化学分野を中心として両者の研究推進に寄与する目的で、学術交流協定(協定書PDF)を2014年2月27日に締結しました。

 物質創製化学研究系・有機元素化学研究領域では、ボン大学・無機化学研究所のRainer Streubel教授の研究グループと長年にわたり元素化学の分野で研究交流を深めており、2012年5月に同研究領域の時任宣博教授を組織委員長として 宇治キャンパスで開催した第10回国際ヘテロ原子化学会議(ICHAC-10)には、Streubel教授が招待講演者として参加されました。また、 2013年10月にはStreubel 教授をホスト研究者とするフンボルト賞の受賞者再招へいが採択され、以後二度にわたって時任教授がボン大学での研究滞在に渡独しています。加えて、両研究 室の大学院学生や博士研究員の人的交流も活発です。さらに2014年度からは、両研究室間での2年間の二国間交流事業共同研究(日本学術振興会・科学研究 費補助金:ドイツ側対応機関DAAD)が実施されます。このような状況を受けて、化学研究所ではボン大学・無機化学研究所と学術交流協定を結ぶことにした 次第です。

 今回、時任教授のボン大学での二度目の研究滞在にあたり、Streubel 教授の計らいでボン大学・無機化学研究所のAlexander C. Filippou所長と面談して、多様な化学関連分野における本研究所の研究活性の高さを紹介し、今回の協定締結を機に両者がますます協力・連携を押し進 めて相乗効果を生み出すことの意義と重要性を伝えました。そして、今回の渡独に併せて持参した佐藤所長署名の協定書にFilippou所長の署名を頂く形 で、協定書調印の手続きを完了しました。

 本研究所は、所属教員がそれぞれ個人ベースで、また、国外の研究機関・組織とも多数の学術交流 協定を結んで組織的に、多彩な共同研究を国内外で広く展開し、その活力を化学関連分野の発展に向けて傾注してきました。そして、平成22年度からは、文部 科学大臣に認定された「共同利用・共同研究拠点」として、関連分野の他の研究機関・組織との協力・連携体制をさらに強化し、化学を中心とする研究分野の一 層の発展に努めています。今回の協定は、上記の拠点活動とも関連して、本研究所の今後の研究展開や社会貢献を図る上で大きな一歩となるに違いありません。


Alexander C. Filippou所長(右)と時任教授

Ranier Streubel教授(右)と時任教授