第16回「高校生のための化学」~ 先端高度研究の一端を学ぶ ~ を開催

 今年で第16回目となる「高校生のための化学」は、化学(広くは科学)の奥深さと高度研究の一端からその醍醐味をより一層深く高校生に感じてもらうことを目的に企画されました。今年の参加者は47名で、遠くは高知県や茨城県、東京都からの参加もありました。
 午前中は佐藤直樹所長による化学研究所の概要説明の後、笹森貴裕准教授による講演「元素周期表を眺めてみよう」がありました。講演では、紀元前の元素の 発見から、113番目の元素の発見に及んだ現代に至るまで、化学者らがたどってきた軌跡が解説されました。真理を追求するための苦労や努力について掘りさ げる興味深い内容に、参加者たちは熱心に耳を傾けていました。
 午後からは10の研究室が提供する見学サイト(研究室)に分かれ、大型研究機器の見学や実験体験に挑みました。細胞の中の核やミトコンドリアを蛍光染色 試薬を使って顕微鏡で観察したり、2010年のノーベル化学賞の受賞対象になったクロスカップリング反応で香料分子を合成したりするサイトなどがありまし た。参加した高校生からは「暮らしと化学物質は身近なものだと改めて強く感じた」「計算や暗記ばかりで化学に抵抗があったが、実験を通じて、こんなに楽し い勉強はないと思った」などの声が聞かれました。今年は希望するサイトでじっくりと3時間の見学・体験を楽しむことができ、参加者1人1人の質問には教員 や大学院生が丁寧に応じていました。

 なお、プログラム終了後、レポートを提出した方全員に修了証をお送りしました。また、特に優れたレポート作成者に授与される「最優秀レポート賞」には、 選考の結果、奈良県立奈良高等学校1年生の梶原大悟さんと、甲陽学院高等学校2年生の出口達也さんが選ばれました。

・プログラムはこちらをクリック

 写真集1:前半 (各写真をクリックすると拡大画像が見られます)
看板
化学研究所概要説明
佐藤直樹所長
講演 : 元素周期表を眺めてみよう
笹森貴裕准教授
サイト1:重い元素の世界~青いケトン~
サイト2:細胞内現象の顕微鏡観察 サイト3:きて、みて、さわって、化学はこんなに面白い!
サイト4:光の性質と分子の構造 サイト5:高分子の結晶化過程の観察
 写真集2:後半(各写真をクリックすると拡大画像が見られます)
サイト6:分子がつくる半導体の中の電子
サイト7:高強度の光がつくる虹色 サイト8:この好い香り 何かな?クロスカップリングで匂い分子を合成!
サイト9:遺伝子データのコンピュータ解析 サイト10 : 光で探るナノ物質の世界