松林 伸幸 准教授、分子シミュレーション研究会学術賞および能勢賞を受賞

 平成20年11月18日、松林 伸幸准教授(分子環境解析化学研究領域)が分子シミュレーション研究会学術賞および能勢賞を受賞されました。
 学術賞は、分子シミュレーションに関する研究において、顕著な業績を挙げた研究者を表彰する賞で、特に、方法論の研究で傑出した業績が認められた場合は、能勢賞が合わせて授与されます。
●受賞テーマ
「回転運動方程式の解法および溶液理論に基づく自由エネルギー計算法の新規開発と応用」

 分子動力学シミュレーション(MD)の根本技法は、基礎となる運動方程式の解法であり、計算科学としての分子シミュレーションの最重要項目が、自由エネ ルギー計算です。松林准教授は、この2つの課題に挑戦し、次のような顕著な業績を挙げたことが、認められました。
1)回転運動に関するEuler方程式のもつ特性(時間可逆性・位相空間体積保存)を満たす数値解法を世界で初めて開発
2)独自の溶液理論(エネルギー表示の分布関数理論)との結合による、超臨界流体・ミセル系・脂質膜系・タンパク質系・量子-古典混合(QM/MM)系の正確・高速な自由エネルギー計算・解析法の開発