第14回化研公開講演会を開催

 「本年度ノーベル物理学賞とハードディスクドライブ」小野 輝男 教授
 「レーザー光の魅力とレーザー社会の今と未来」   阪部 周二 教授 

 平成19年10月21日(日)、午前10時から2時間にわたり、宇治キャンパス木質ホールにて公開講演会が開催され、多数の参加者が集まりました。20、21日の宇治キャンパス公開に併せて行なわれ、今年度は、材料機能化学研究系・ナノスピントロニクス、小野輝男教授と附属先端ビームナノ科学センター・レーザー物質科学、阪部周二教授を講師として、スピントロニクスとレーザー物理学の最先端の研究が現代社会に直接的に貢献していることをわかりやすく紹介しました。

 小野輝男教授は身近な磁石に関連する記憶装置ハードディスクの開発での技術上のブレークスルーについて様々なエピソードを織り交ぜながら話しました。特に、今年度のノーベル物理学賞の受賞理由である「巨大磁気抵抗効果の発見」に化学研究所の研究成果が密接に関係し、受賞者は化学研究所の訪問時にアイデアの一部を得た等の秘話も披露しました。最後に、小野教授自身が現在、関連する研究も分かりやすく解説し、身近な磁石とノーベル賞そして先端研究を紡いだ話を展開しました。


小野輝男 教授

 阪部周二教授はまずレーザーの原理と特徴を比喩や実例を豊富に交えて分かりやすく解説し、さらに非接触という利点を生かし身の回りで幅広く使われているレーザー応用すなわち切断、溶接、医療等でのレーザーの活躍について動画を多く交えて丁寧に説明しました。最後にレーザーが実現する未来についても言及し、参加者は意外に身近にレーザーが多用されていることに驚き、先端研究が社会に変革を与えていることを実感していました。
(平成19年度 講演委員長 馬見塚 拓)


阪部周二 教授