当研究所は、1926年10月4日に官制公布され、設置理念「化学に関する特殊事項の学理と応用」に添って、化学に関する幅広い研究を基礎と応用の両面で 展開し、今秋、無事に創立80周年を迎えました。これを記念すべく、2006年11月2日に、時計台記念館・記念ホールでいくつかの行事を執り行ないまし た。
この行事は、研究所の来し方と現状の再認識に基づき、近年の、かってないほど速い変化の中で、ともすれば薄れ勝ちになる組織、研究所のアイデンティティ を再確認し、これを研究所の将来展望に活かしたいということと、対外的には、この記念行事を、研究所の実像を学内外に発信し、アピールするための絶好の機 会と捉えることを目標として開催されました。
このような主旨の下で、記念式典と祝賀会は別にして、本記念行事の内容を3部構成としました。第1は、「終わりなき知への挑戦」と題する歴史展示です。これは、研究所80年の足跡を、ささやかながら70点ほどの資料を通して眺めたものとなりました。第2は、研究所の現状を示す記念展示会で、現在の研究所組織をなす5研究系3研究センターそれぞれについて、ならびに、これら研究系・研究センターを構成する31研究領域それぞれについて、研究内容をポスターと展示物およびビデオ画面でご紹介しました。そして第3が、記念講演会で した。これは、所長による研究所の過去、現在、未来に関する総括講演に続き、所員による4分野・4件の学術講演を披露しました。これらの学術講演は、すで に完成した、または完成に近い研究というよりは、むしろこれからの化研の将来を拓く可能性を秘めた研究に関する講演で、演者も30代または40代の若い、 または比較的若い教授が務めました。
記念講演会・式典には、官学会・産業界から230名を越えるご参加を頂き、一般参加、所内参加者と合わせて、500席の時計台百周年記念ホールが満席となる盛況をみたことは、特に喜ばしいことでありました。記念祝賀会におきましても、時計台記念館国際交流ホールに約360名の参加者を得て盛会裡に終了しました。
学内外から、また産官学各界から、多忙な中、化学研究所のために貴重な時間を割いて記念行事にご参加頂いた各位に深甚の謝意を表する次第であります。(原文より抜粋、全文はこちら)
平成18年11月10日、文責:創立80周年記念行事委員長 福田 猛
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●創立80周年記念展示 10:00~16:00 国際交流ホール
化学研究所の5研究系・3センターがそれぞれのブースに分かれて研究紹介展示を行いました。各研究領域の主な研究活動を紹介するポス ター展示に加えて、美しい色の化合物が入った試験管や、深海でサンプルを採取するための機器、高性能なレーザーに使われる装置などが、手に取ったり、間近 に眺めたりできるよう展示されました。学内外からの招待者だけでなく、数多くの一般見学者を迎え、活発な議論や意見交換が行われました。会場内では、化学 研究所を紹介するムービーも上映され、宇治キャンパス内にある化学研究所の様子が披露されました。
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●創立80周年記念式典 16:30~17:00 百周年記念ホール
講演会に引き続き、記念式典を挙行しました。
開式の辞 教授 横尾 俊信
所長式辞 所長 江崎 信芳
総長祝辞 京都大学総長 尾池 和夫
来賓祝辞 文部科学省研究振興局学術機関課長 森 晃憲
理化学研究所中央研究所長 茅 幸二
科学技術振興機構 研究開発戦略センター
特任フェロー 村井 眞二
閉会の辞 教授 横尾 俊信
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●創立80周年記念歴史展示
「終わりなき知への挑戦 ー過去、現在、そして未来へー」
平成18年10月3日~11月5日
京都大学化学研究所80年の歴史を振り返り、これを明日への糧とすべく記念展示を行いました。特効薬サルバルサンの合成、わが国初の人 造繊維ビニロンの開発、世界に先駆けた電子顕微鏡開発、現在のナノテクノロジーへとつながる酸化鉄研究のあゆみなど、科学の発展と社会生活の向上に努めて きた化学研究所の足跡を辿った展示には、期間中、約3800人の見学者が訪れました。特に80周年記念行事の開催された11月2日は多くの卒業生やかつて の教職員が懐かしげに見学する姿がみられました。
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