第8回 高校生のための化学、開催  ー 200名規模の参加者に活気あふれた宇治キャンパス ー

 夏休みも序盤の7月最終週の土曜日、「第8回 高校生のための化学」が開催された。

 午前中は玉尾晧平教授(理化学研究所フロンティア研究システム長、元化学研究所教授)らが中心となり文部科学省より公開された「一家に一枚周期表」につ いての講演会を共同研究棟にて実施。玉尾教授、横尾教授、寺島教授ら3名が、周期表制作にいたるまでのエピソードや、各元素がもつ現代社会との密接なかか わりについて講演した。

 午後は化学研究所の11の研究室が企画するそれぞれのテーマサイトに分かれ、全国から訪れた高校生やその保護者が実験や見学に参加した。赤い粉末と硫黄 にベンゼンを混ぜて精製すると、宝石のような澄んだブルーになるという目で楽しめる実験をはじめ、すりつぶしたブロッコリーに洗剤を注ぎDNAを取り出す という貴重な実験、食品添加物などに使われているさまざまな有機化合物のにおいを実際に嗅いでみるという興味深い実験など、参加者それぞれに思い出の残る 体験ができたようだ。取り出したDNAや観察したオジギソウ、ほう砂と洗濯のりを混ぜて作ったスライム、化学物質で着色した6色の水と油など、実験の成果 をおみやげに持って帰れるサイトもあったようだった。

 「理科ばなれ」が危惧される昨今にあって、テレビ番組や雑誌などを中心に少しずつ「理科ブーム」到来の気配を感じさせる今日この頃。その影響か、200 名近い応募があり、急きょ10サイトを2回開催することになって迎えた「第8回 高校生のための化学」は、例年にない盛況ぶりを見せた。

(文責:広報室 小谷 写真:広報室 柘植)