附属 先端ビームナノ科学センター レーザー科学棟竣工記念見学会・祝賀会を開催

 化学研究所は昨年4月に先端ビームナノ科学センターを発足させ、ビーム科学の融合とナノ科学応用研究への展開を始めました。この度、これらの研究を一層発展させるために、レーザー科学棟が宇治キャンパスのイオン線形加速器実験棟に隣接した場所に竣工いたしました。

 建物竣工及びレーザー装置の設置完了を記念して、 3月17日に「レーザー科学棟竣工記念見学会・祝賀会」が同施設で行われました。見学会ではレーザー物質科学研究領域担当の阪部周二教授の案内により、参 加者は防塵服を着衣してレーザー室とレーザー照射室を見学しました。レーザー装置が運転され、レーザー光を水の入ったセルに集光し白色光を発生したり、照 射室でも集光容器の中の大気中に集光するなどのデモも行われました。

ひきつづき祝賀会が行われ、高野幹夫化学研究所所長の挨拶に続き、来賓の大阪大学レーザーエネルギー学研究センター長井澤靖和教授と日本原子力研究所関西 研究所光量子科学研究センター長木村豊秋氏より祝辞が述べられました。さらに、宇治地区を代表し、生存圏研究所長の松本紘教授から祝辞と乾杯があり、参加 者の歓談や情報交換が盛んに行われました。最後に先端ビームナノ科学センター長野田章教授より今後の研究活動への支援と協力のお願いがあり、盛会裡のうち に閉会しました。

 今後は、本施設を活用し、短パルスレーザーナノアブレーションによる金属・誘電体材料などの微細構造自己形成や、生体組織・細胞分子の短パルスレーザー によるソフトイオン化と質量分析科学への応用、レーザー生成放射線発生とそのナノ解析科学への応用などの研究を本格的に実施いたします。また、異分野交流 による新学術創成を目指して、幅広い分野での新たな共同研究を歓迎いたします。