第104回化学研究所研究発表会、開催

 平成16年12月3日(金)、宇治キャンパスの化学研究所共同研究棟で、第104回化学研究所研究発表会が開催された。

 今回は、国立大学法人となって初めての研究発表会であり、開会の挨拶に立った高野幹夫所長は、法人化の真の意義は「個 性輝く大学」の構築にあるとし、また、化学研究所は「存在感の強い『個性輝く構成部局』であるべく、研究分野の幅広さを活かした融合的で先鋭的な研究を推 進する」姿勢を強める必要があり、伝統的見地を捉えつつ発展させていきたいと述べた。


[上写真] 高野所長による挨拶

 研究発表会は、午前3件・午後4件の口頭発表とその間に設けたポスターセッション(発表67件)により構成された。

 講演会午前の部では、田中静吾助教授(分子臨床化学)「細胞の生死を制御する分子機構」、馬見塚拓客員助教授(寄附研究部門プロテオー ムインフォマティクス)「糖鎖データベースからのデータマイニング」の講演、第9回化学研究所「所長賞」受賞者の辻勇人助手(典型元素機能化学)「環構造 を用いたオリゴシランの立体配座制御」の受賞講演、また、「奨励賞」受賞者の斎藤茂樹、篠原朗大2名の若手研究者によるポスタープレビューを行った。ポス ターセッション(67件)では前後二部に分かれ、最新の研究結果について活発な討議が行われた。

 また、午後の部での講演会では平竹潤助教授(生体触媒化学)「酵素の構造とメカニズムを探る阻害剤設計」、岡崎雅明助教授(遷移金属錯体化学) 「四鉄骨格上でのアセチレン2分子の段階的臭素化反応」、吉田弘幸助手(分子集合解析)「アクリロニトリルクラスターイオンの固体基板上への堆積」、根本 隆助手(複合ナノ解析化学)「固液界面における結晶成長と加工」、白井敏之助手(粒子ビーム科学)「電子リングKSRにおけるビーム物理」の講演が行わ れ、気鋭の教員が化学研究所の特長である“化学を中心とした広い自然科学分野”にわたる最先端の研究成果を活き活きと伝えた。

 所内を含む約120名の参加者を得て、それぞれに熱心な聴講と活発な討論が行われた。


 [左写真]
 ポスターセッションの様子

 [右写真]
 講演会の様子