日本初、ペロブスカイト太陽電池を活用したアートアロマディフューザーの導入を開始 −産学連携でペロブスカイト太陽電池の実用化を拡大−(若宮研究室)

 京都大学発のスタートアップである株式会社エネコートテクノロジーズ(本店:京都府久世郡、代表取締役:加藤 尚哉)と三井不動産レジデンシャル株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:嘉村 徹)は、この度、住宅におけるペロブスカイト太陽電池の活用に関する共同研究として、ペロブスカイト太陽電池を活用したアートアロマディフューザーを三井不動産レジデンシャルが2024年10月1日に開業したシニアレジデンス「パークウェルステイト西麻布」に設置し、実証実験を開始いたしました。株式会社エネコートテクノロジーズは、共同創業者でもある京都大学化学研究所 若宮 淳志 教授の研究成果をもとに、ペロブスカイト太陽電池の開発を行っています。本研究は、若宮研究室とも連携し、産学連携でペロブスカイト太陽電池の実用化を加速するものです。


若宮 淳志 教授
 
 

 本アートアロマディフューザーは、ペロブスカイト太陽電池の、(1)室内のような低照度においても発電すること、(2)薄い・軽い・曲がるといった特性を活かした作品です。すまいとくらしに潤いを与えるような意匠性をもたせつつ、ペロブスカイト太陽電池によって生み出したエネルギーを利用した、アロマディフューザーの機能を持ちます。実用化を加速させるため、ペロブスカイト太陽電池の発電効率につき世界最高効率を達成した京都大学化学研究所の若宮研究室とも連携します。パークウェルステイト西麻布にて初の実証実験後、三井不動産レジデンシャルが提供する住宅内の様々な場所に移設することで、実際のすまいやくらしに近い環境で本製品の耐久性や効率性等を検証する実証実験を実施いたします。
 本取り組みを第一弾とし、今後も、ペロブスカイト太陽電池の特性を最大限活かすことで、再生可能エネルギーの活用のみならず、すまいとくらしに潤いを与えるような意匠性・利便性の高い活用方法の開発を目指してまいります。

株式会社エネコートテクノロジーズ京都大学化学研究所でのペロブスカイト太陽電池の研究成果をもとに、京都大学発のスタートアップとして、2018年1月に設立。代表取締役 加藤尚哉氏。
https://www.enecoat.com/

 

パークウェルステイト西麻布での設置の様子「パークウェルステイト西麻布」でのペロブスカイト太陽電池による発電により稼働するアートアロマディフューザーの設置の様子について実際に設置した様子を動画でご覧いただけます。
https://youtu.be/TnUVkzIi9bU

 

世界最高効率Snを含むペロブスカイト太陽電池としても世界最高効率となる23.6%を2022年4月に発表(S. Hu, A. Wakamiya, et al. Energy Environ. Sci. 2022, 15(5), 2096-2107, 京都大学プレス発表)。また、最近では、フィルム基板を用いたペロブスカイト太陽電池モジュールでも世界最高効率となる>21%を達成している。