玉尾 皓平 名誉教授、寺嶋 孝仁 名誉教授が令和7年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞しました

公開日:2025年4月21日

 令和7年4月8日、玉尾 皓平 名誉教授(現 理化学研究所栄誉研究員、第28代化学研究所長)および寺嶋 孝仁 名誉教授(現 科学技術振興機構研究員、元 化学研究所助教授)が令和7年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(理解増進部門)を受賞することが発表され、4月15日に文部科学省で受賞式が執り行われました。
 科学技術賞 理解増進部門は、青少年をはじめ広く国民の科学技術に関する関心および理解の増進等に寄与し、または地域において科学技術に関する知識の普及啓発等に寄与する活動を行った個人またはグループに贈られるものです。


玉尾皓平 名誉教授

寺嶋孝仁 名誉教授

・業績
「一家に1枚周期表の企画制作と普及活動による理解増進」
 玉尾皓平 名誉教授 理化学研究所栄誉研究員、
 寺嶋孝仁 名誉教授 科学技術振興機構研究員、
   櫻井 弘 京都薬科大学名誉教授、
 上田文子 株式会社化学同人編集部次長、
   イラストレーターの山﨑幹雄(猛) 氏との共同研究

 

文部科学省著作「一家に1枚周期表」

 

・「一家に1枚周期表」
 平成16年春、化学研究所の玉尾皓平教授が文部科学省に「一家に1枚周期表」の制作を提案、支援を受けて、上記チームで制作し、平成17年3月25日に文部科学省より公開されました。玉尾教授は、京大化研発「一家に1枚周期表」ともよんでいます。この周期表は、それぞれの元素の用途が写真やイラストと簡潔な説明文で紹介されています。できるだけ身の回りの物、元素の両極端のような幅広い用途、我が国の科学技術によって開発されたもの、などが強調されています。例えば、ノーベル賞に輝いた、リチウムイオン電池や青色発光ダイオードの原料となるガリウムは信号機、国産ロケットの燃料となる水素、炭素はペットボトルとシャープペンシルなどのほか、我が国発の新元素「ニホニウム」など、身近にあるものの元素が目で見て理解できるよう工夫されています。ノーベル賞受賞や新元素発見などのたびに改訂を繰り返し、現在は第13版を数えています。
 玉尾教授は、「この周期表を各家庭のリビングルームに貼って、親子で科学の話をするきっかけにしてほしい」と話します。「元素周期表は化学の基礎。子供たちはポケモンの名前はすぐに覚えます。興味さえ持てば、全ての元素の名前と用途くらい簡単に覚えられるでしょう」。理科離れが懸念される日本の子供たちに、少しでも科学に興味を感じて欲しいとの熱い思いがこめられています。