第10回高校生のための化学 -化学の最前線を聞く・見る・楽しむ会-

主 催: 京都大学化学研究所
ポスター(PDF)
協 賛: 日本化学会近畿支部
後 援: 京都府教育委員会、滋賀県教育委員会、奈良県教育委員会、大阪府教育委員会、京都市教育委員会、宇治市教育委員会、城陽市教育委員会
日 時: 平成19年7月28日(土)10時00分~16時30分
会 場: 京都大学宇治キャンパス 木質ホールなど
〒 611-0011 宇治市五ヶ庄
  〔交通〕 JR奈良線または京阪宇治線「黄檗(おうばく)」駅下車、徒歩 7分
対 象: 高校生および中学生、教員等  
参加費: 無料
プログラム:

12の見学のサイトの中から、午前・午後一ヶ所ずつを訪問し、最先端の研究現場を見学・体験していただきます。(詳細なプログラムおよび選択可能な見学サイトはこちらをご覧下さい。)

定 員: 先着順約120名 (ただし、各サイトに先着順約15~20名の定員があり、午前もしくは午後のみのサイトもあるため、ご希望のサイトを見学できない場合もあります。ご了承下さい)
参加申込方法: 氏名・所属(学校名)・連絡先住所・電話番号および、下記12の見学・体験サイト の中から、午前の希望サイトと午後の希望サイト(各第1希望から第3希望まで)合計6サイトを記入の上、ホームページ、電子メール、またはFaxにて、下 記までお申し込みください。お申し込み後1週間以内に受付受理の連絡がない場合は、下記申込先にお問い合わせください。ご希望のサイトのうち、実際に見学 できるサイトについては当日お知らせいたします。
尚、参加人数に限りがありますので、団体としての受付は致しません。個人としてお申し込みください。
申込期日: 平成19年7月23日(月)必着 
申込先: 〒611-0011 宇治市五ケ庄 京都大学宇治地区事務部
     研究協力課「高校生のための化学」担当宛
申込用フォーム: ホームページからのお申し込みはこちら
  E-mail * kokai@uji.kyoto-u.ac.jp
  FAX * 0774-38-3369(電話: 0774-38-3355)
個人情報
 について:
申し込みの際にご記入いただきました「名前・所属・郵便番号・住所・電話番号・メールアドレス」の個人情報につきましては、厳重に管理いたしますとともに、第10回高校生のための化学の開催のみに使用し、他の目的に使用することはありません。

プログラム

10:00-10:30 概要説明(木質ホール3階にて)
 ・はじめに         化学研究所長 江崎信芳
 ・化学研究所全体の紹介
 ・見学要領の説明
    各見学サイトの引率者の紹介
10:40-12:10

「午前の部の見学」
 見学サイト(1 2 3 5 6 8 9 11 12 からお選びください)

12:10-13:30

「昼食休憩」
当日、大学生協の食堂は営業していませんが、昼食場所としてご利用いただけます。配布冊子とともに近隣の食堂マップもお渡ししますのでご参照ください。
 

13:30-15:00

「午後の部の見学」
 見学サイト(1 2 3 4 5 6 7 9 10 11 12 からお選びください)

15:10-16:30

「総合討論、なんでも聞いてみよう(参加者からの質問の受け付け)」

見学&体験サイト

1「カラフルな重い元素の世界 青いケトン」(有機化学)午前・午後

有機化合物は、一般に炭素、窒素、酸素、水素等の低周期元素からできており、生物を構成するだけで はなく、日用品や薬品等、様々な形で生活に利用されています。一方、有機化合物の構成元素を高周期元素(重い元素)で置き換えた化合物は、様々な色を持つ など、通常とは異なる性質を示します。本サイトでは、ケトン(>C=O)の酸素を重い元素である硫黄で置き換えた「重いケトン」を実際に合成して、どんな 色を持つのかを見ていただきたいと思います。

2「見てみよう! 超臨界水の世界 」(物理化学・環境化学)午前・午後

油を溶かして環境ホルモン・ダイオキシンを分解する水、超臨界水の化学を紹介します。同じ水分子で構成されていますが、普通の水とは違う超臨界水の世界を体験してみましょう。本見学会では、超臨界水とは何かについて説明し、超臨界水がプラスティックを溶かしていく様子を直接観察します。その後、超臨界水の構造・反応を探る世界最先端の装置を見学し、超臨界水の中で実現する環境に優しい化学反応について 議論します。

3「ビームの1次元相転移 ひも状ビームの実現に向けて」(ビーム物理学)午前・午後

イオン蓄積・冷却リングS-LSRでは加速器の中の陽子ビームの個数を減らすことにより、ビームの 温度を下げ、1次元のひも状の状態を作り出すことに世界でも初めて成功しました。この状況を説明すると共に、加速器で扱う種々の ビームについて紹介し、基礎科学やがん治療等の医学利用も含む様々な分野でのビームの利用に関しても説明します。

4「この目でDNAを観察しよう!植物が環境に適応する秘密を探る」(植物分子生物学) 午後のみ

発芽した場所に生涯定住する植物は、動物に比べて、生き抜くために多くの工夫をもっています。当サイトは、植物が展開するミクロの世 界の闘いを目に見える形で紹介します! 簡単なスライド講義後、生存戦略の設計図である遺伝子情報が詰まっている「ゲノミックDNA」を各自で精製・観察します。また、環境に適応するオジギソウ などの観察を通じて、遺伝子の役割と進化を考えます。自分の目と手で植物の生存戦略を実感してください。

5「きて、みて、さわって!体で感じる有機化学」(有機化学・生物化学)午前・午後

普段何気なく接している匂いや味。これも立派な化学物質です。それを実際に体験し、分子の集合体としての物質を感じてみます。目に見えない分子でも、ちゃんと「見る」方法があります。匂いや味を手始めに、身近な物質や製品を通して奥深い有機化学の森に 分け入ってみます。百聞は一見にしかず。てんこもりの有機化合物、実際に手にとって、きて、見て、さわって、徹底的に体験して下さい。ナビゲーターは化学大好きの大学院生。

6「- 196℃の世界を楽しもう!超伝導と磁石の不思議」(低温物理学)午前・午後

液体窒素(-196℃)を使った基礎的な物理実験を行います。空気の収縮・膨張、超伝導体の磁気浮 上、磁石にくっつく液体酸素などの実験を通して低温物理学、物質科学の面白さを実感してもらいます。また、高校生にも分かるレベルでその背景にある物理の 解説も行います。当日はスタッフ・大学院生が研究の面白さが伝わるよう親切に説明を行いますので気軽に参加して下さい。

7「分子がつくる薄膜中の電子に注目!」(有機物性化学)午後のみ

半導体といえばシリコン、と普通は考えますが、有機物にも半導体があることを半世紀前に日本など 三ヶ国の研究者が見つけました。その有機半導体がエレクトロニクスの一翼を担う時代を迎えています。分子が集まってできる物質は多彩で、それが様々な応用 に結びつきます。このサイトで、そのような“分子集合体”を研究している分子集合解析領域のメンバーと一緒に、「分子がつくる薄膜」中の電子の状態とその 薄膜の性質との関係について考えてみませんか?

8「遺伝子データのコンピュータ解析」(生物情報ネットワーク)午前のみ

生物の設計図は基本的にDNA配列に書かれています。でも、その量は人間の場合でもCD-ROM一枚に収まる程度です。ちょっとしたゲームソフトより少ない量なのです。その理由はとても不思議でまだほとんどわかっていません。しかし、一部分の配列データについては、コンピュータを使ってその意味や性質を予測する方法が世界中で数多く開発されてきました。それらのプログラムのいくつかを体験していただきたいと思います。

9「巨大分子を造って、見て、さわろう! 高分子の不思議な世界」(高分子化学)午前・午後

原子・分子が多数つながった巨大分子(高分子)。その連結性が生み出す特異な性質にちなみ、衣料から食品・エレクトロニクス・医療用まで、さまざまな高分子材料が開発され、私たちの生活を支えています。当見学サイトでは、巨大分子を操り「人工いくら」や「コンタクトレンズ」を実際に造って、また、巨大分子が織りなす「ナノの世界」や、巨大分子ならではの性質「体温を感じる奇妙な高分子」などを見て、さわって、巨大分子の面白さと不思議さを体験してみましょう。

10「五感を測る ショウジョウバエを用いた分子行動学への招待」(分子行動学)午後のみ

ショウジョウバエは1mgに足らぬ生き物ですが、わたしたち人間と同じように、五感(視・聴・嗅・味・触の感覚)をもっています。本サイトでは、ショウジョウバエの五感の感覚がどのようなものか、皆さん自身でショウジョウバエの行動を観察し、解析していただくとともに、ユニークな突然変異体を見つけ、複雑な行動を遺伝子の言葉で理解する分子行動学の解説を行います。

11「極微の世界 原子・分子の並びを直接その眼で!」(物理化学)午前・午後

近年、ナノテクノロジーやナノサイエンスという言葉を盛んに耳にします。その対象は分子・原子のサイズの構造です。私たちの研究室では、世界でもトップクラスの性能を誇る超高分解能電子顕微鏡や走査プローブ顕微鏡・走査型電子顕微鏡などを用いてこれらの構造解析に取り組んでいます。見学者の皆さんには、これらの装置に実際に触れていただいて、原子・分子が並んでいる極微の世界を直接のぞいていただこうと思います。

12「微生物のバイオテクノロジー」(応用微生物学)午前・午後

私たちの体には、およそ60兆個の細胞があるといわれています。しかし、私たちの体の表面や腸の中にはもっと多くの微生物がいて、その数はおよそ100兆個といわれています。私たちは自らの細胞の倍ほどの微生物を住まわせているのです。微生物の中には病原菌もいますが、逆に非常に役立つものもあり、微生物を用いる数々のバイオテクノロジーが開発されています。本サイトでは微生物バイオテクノロジーの現状を分かりやすく紹介します。