第20回「高校生のための化学」を開催(2017.07.29)

 第20回「高校生のための化学」が平成29年7月29日に開催されました。この行事は、次代を担う高校生に化学(広くは科学)の奥深さと醍醐味を伝えることを目的に企画されています。今年は暑い日差しの中、全国から83名の高校生が参加しました。
 午前は、青山卓史副所長による化学研究所の概要説明の後、10研究室が提供する見学サイトに分かれ、最先端の研究現場を見学・実験体験を行いました。実際の研究で使用されるレーザー機器を使って光の性質を体感するサイトや、自分のDNAを取り出し、他人のDNAとの違いを体感するサイトなどがありました。さらに、今回は事前に動画で実験内容を予習した上で、当日体験実験を行う「反転授業」を試みたサイトもありました。
 午後も引き続き各サイトで実験体験を行い、最後に実習レポートにまとめて提出しました。その後、島川祐一教授による講演「世の中を便利に快適にする新材料を創る」がありました。「もっと便利に、より快適に」を実現するための新材料の開発を行う最先端研究についての講演に、参加者たちは熱心に耳を傾けていました。

 また、参加者からは「化学の奥深さとまだまだ知らないことに対して興味がわいた」「化学が他の分野とも深く関わっていることが改めてよく分かった」「もっと化学を学びたいと思った」などの声が寄せられ、高校生たちへ科学の魅力や奥深さを伝える有意義な会となりました。

 最後に、提出された83名のレポートのうち、特に優れたレポートを作成された以下の3名には「最優秀レポート賞」「優秀レポート賞」が授与されました。

最優秀レポート賞 井上 友莉香さん 大阪府立大手前高等学校 / 1年生
優秀レポート賞  吉川 隼翔さん  灘高等学校 / 1年生
           西口 大智さん  甲陽学院高等学校 / 2年生

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会場入口の様子

化学研究所概要説明
青山卓史副所長

 

 

サイト1:分子集合系の構造と表面物性

サイト2:炭素リング「シクロパラフェニレン」を合成しよう

サイト3:この好い香り何かな?クロスカップリングで匂い分子を合成!

サイト4:遺伝子データのコンピュータ解析

サイト5:微生物の環境適応と酵素の化学

サイト6:自分のDNA多型の化学的検出

サイト7:重い元素の世界~青いケトン~

サイト8:有機エレクトロルミネッセンスー光る有機分子をつくってみよう

サイト9:DNAの分子としての性質を知る

サイト10:高強度の光がつくる虹色

講演:世の中を便利に快適にする新材料を創る
島川祐一教授