第19回「高校生のための化学」~ 先端高度研究の一端を学ぶ ~ を開催

 第19回「高校生のための化学」が平成28年7月30日(土)に開催されました。この行事は、次代を担う高校生に化学(広くは科学)の奥深さと高度研究の醍醐味をより一層深く理解していただくことを目的に企画されています。
 暑い日差しの中、遠くは東京や九州をはじめ全国から73名の高校生が参加しました。
 午前は青山卓史副所長による化学研究所の概要説明の後、緒方博之教授による講演「微生物と私たちと海~生命とは何か?」がありました。「ウイルスは生き物か?」の問いかけに始まった講演では、「ウイルス」の説明、タラ号海洋探査国際プロジェクトの最新成果を交えた紹介があり、参加者たちは熱心に聴講していました。質疑応答では、参加者たちから多くの質問の声があがり、活気ある講演会となりました。
 午後からは8研究室が提供する見学サイトに分かれ、大型研究機器の見学や実験体験を行いました。細胞の中の核やミトコンドリアを蛍光染色試薬を使って顕微鏡で観察するサイトや、クロスカップリング反応で香料分子を合成するサイトなどがありました。
 参加した高校生からは「よりいっそう化学への関心が深まった」「化学と生物、物理は密接な関係にあることを学んだ」「この学校で勉強、研究したいと改めて思った」などの声が寄せられました。会の終了後も熱心に研究者に話しかける参加者の姿も見られ、次世代を担う高校生たちへ科学の魅力や奥深さを伝える有意義な会となりました。

 なお、プログラム終了後、レポートを提出した方全員に修了証をお送りしました。また、特に優れたレポート作成者に授与される「最優秀レポート賞」と「優秀レポート賞」には、選考の結果、以下の方々が選ばれました。

最優秀レポート賞 
 田村 凜夏さん  奈良県立畝傍高等学校 / 3年生
 前川 瑠里さん  京都府立洛北高等学校 / 2年生
優秀レポート賞
 植田 まいさん  西南学院高等学校 / 3年生
 佐藤 恵さん     大阪府立大学工業高等専門学校 / 3年生

・プログラムはこちらをクリック

 

会場入口の様子

化学研究所概要説明
青山卓史副所長

講演 : 微生物と私たちと海~生命とは何か?
緒方博之教授

サイト1:遺伝子データのコンピュータ解析

サイト2:重い元素の世界~青いケトン~

サイト3:分子の香り:クロスカップリングで人工香料合成

サイト4:分子集合系の構造と表面物性

サイト5:細胞小器官の顕微鏡観察

サイト6:有機エレクトロルミネッセンスー光る有機分子をつくってみよう

サイト7:微生物の環境適応と酵素の化学

サイト8:高強度の光がつくる虹色

講評・質疑応答・アンケート記入