11月28日 本館5階 所長室にて開催
出席者 江崎 信芳 (所 長 写真上中央)
佐藤 直樹 (副所長 写真上左)
時任 宣博 (副所長 写真上右)
長崎 順一 (前化研担当事務室長 写真右)
柘植  彩 (広報室員 写真下)

続編3 テーマ
「社会への情報発信と所内連絡体制」

目次 
外への情報発信とその体制
社会への姿勢
所内連絡の意義
所内広報充実のポイント

外への情報発信とその体制

時任 これから先は、事務の実務と教育・研究の両方に精通したマネージャーが必要となります。そういう人達をいかにして、恒常的なお金で雇えるようにするかが課題です。化研の広報室はその一種といえますが、今のメンバーに加えて、サイエンティフィックな中身を理解できる人も置けるといいですね。

佐藤 実際、理研などはそういう人がいるわけですよね。他の国立大学では総長裁量経費か何かでそういった資金を確保しているところもあるようです。

江崎 広報室には80周年のロゴや化研概要の特別版を考えていただいたり、IIOフェアの折にもポスターを制作していただいたりして、非常に助かってます。こういう業務は、依然として教員がしている部局が多いのではないでしょうか。広報室が立ち上がってから、化研ではそのぶん教員が研究専念できる方向に向いてきているのではないでしょうか。ありがたいことです。

↑化学研究所広報室で制作しIIOフェアで展示したポスターの例

時任 化研をPRする媒体の編集をはじめ、しばしば必要になる研究者の顔写真なども撮ってもらったりしていて、大変いいと思います。

江崎 80周年のロゴに説明文があるんですけれども、ほんとに理念から仕組みまでを広報室の立場で考えて、わかりやすくとらえていただいている。

時任 ええ。でもそういった業務に加えて、幅広い分野の活動状況が掲載された報告書などの科学的な内容をある程度読み解いて、的を射た効果的なPRの下ごしらえをしてくれるようなセクションがあると、さらにいいと思うんです。企業だったら絶対にありますよね。

江崎 広報室が法人化の流れのなかで立ち上がって活き活きと活動し、また、副所長の協力が得られる体制を立ち上げることができました。あとは室長を中心とした化研担当事務室が充実してくれば万全です。われわれ自らの意思で、ベクトルをそろえて将来に向かって動けることが何より大切ですし、それを実現する力をいかにして蓄えるかが、これから先、大変重要になってきます。広報というものについて考えてみますと、われわれが何かを外に向かって発信したいと思うとき、まず、心を研ぎ澄まして中身を見極め、必要とするさまざまな観点から言葉や形象を検討しますよね。以前から、こういうことを担当してくれる組織がほしくて仕方がなかった。なかなかできないなか、前々所長の玉尾先生の並々ならぬご尽力のお陰で広報室が立ち上がったのは大きな意味がありました。その成果を一番わかりやすく示しているのが、この度お作りくださった化研創立80周年のロゴマークです。理念を理解し、それを美しい形で表現していただいたというわけです。

↑化研創立80周年のロゴマーク

江崎 先日、総長とお話しする機会があり、「化研がやりたいこと、やろうとしていることが、社会に全く伝わっていないよ」と言われました。日頃思っておられることを率直に仰ってくださったのだと思いますが、われわれはもっと努力しないとね。

時任 総長のお言葉の主旨は「何かに取り組んでいるとしても、それが周囲に認知されなければ、何もやってないのと同じ、つまりダメだ、という評価につながるよ」ということでしょう。トップからはそう見えるんでしょうね。

江崎 そうならないためには、教員一人ひとりが「化研のために何をせねばならないか、そして何をしているか」を自覚し、それを行動に反映すること。こんな話しをしているわれわれや広報室も、「化研」というものを大学のトップや世間に対して、いかにわかりやすく説明するかが問われるようになってきます。

時任 どうやら文科省は、サイエンスライターの育成を目指した取り組みを始めるようです。マスコミに流れる科学的な記事に、間違ったことが書かれていてもそのまま流布されてしまうので、それをなんとかしたいということらしいです。僕らとしては、いいものをわかりやすく表現していくことに尽きますね。

江崎 近い将来、消費税が10%とか20%に上がるのはほぼ確実でしょうし、だからというわけではありませんが、今後ますます研究成果の社会還元が求められるようになります。各自が行っている研究にどういう意味があるのか、きちんとわかってもらえるように努力する必要があります。エッセンスを抽出するようなフィルターを通してわかりやすく伝えることができれば、社会への発信がうまくいくと同時に、社会還元につながると思うんです。

↑化研概要80周年記念版リーフレット(広報室作成)

社会への姿勢

時任 例えばノーベル賞受賞者が一人出れば、何となく「わかった」と言ってもらえるのかもしれません。

江崎 その通りでしょうね。そうなれば素晴らしいですが。

時任 日本人はノーベル賞以外の賞には無関心なところがあります。大変名誉ある賞を受賞している人がたくさんいるのに、なかなか評価してもらえない。考古学など遺跡を発掘したりする学問に比べると、自然科学はすぐ役に立ちそうだ、と社会の過度な期待みたいなものがありますよね。先日私が集中講義でお邪魔した某大学で伺った話では、それがエスカレートしてきて、化学の先生だからと期待されて地域の理工系のプロジェクトにくみすることになり、専門外の廃棄物の再生や処理について研究せざるを得なくなったとのことです。地域密着型のテーマを掲げないと研究資金を確保できないという切迫した状況が背景にはあるようですが。しかし、京都大学は伝統のある研究指向大学です。役に立たなくても、研究しなければならないことがたくさんあります。即効性のある科学技術に媚びるのではなく、「われわれは研究指向大学にいるのだ」と声高に言う必要があると思います。よその大学ではできないことを京大の化研ではやる。その方が、結局は貢献できる。そういうことだと思いますね。

江崎 国民の皆さんだって、役に立つことばかりを考えているわけではなく、「世界で初めて○○した」というような、文化的もしくは学術的に価値のある研究や発見に期待している人が多いのではないでしょうか。国民は、取って付けた(または「その場しのぎの」)ような発明であったとしても目新しくさえあれば興味がある、と研究者の側が勝手に勘違いしている面もあるような気がします。それではいけないと思うんです。役に立つことかどうかすぐにはわからないけれど、本質的に重要なことだと思うのでチャレンジしてみました、ということに対しては、国民の皆さんの理解も得られるはずだと思うのです。

時任 最近のノーベル賞の授賞内容を見ていると、あまりにもアプリケーションの視点が重視されすぎているような気がします。発見よりも役に立つことのほうがいいというね。

江崎 Science for ScienceとScience for Societyの両方を大切にしながら研究を進める必要があると思います。

時任 車の両輪なんですよね。その両者を常に念頭に置いておく必要がある。

江崎 社会に対して役立つかどうかというのは、直ちに産業に利用できるかどうかということではありません。物質や現象であれ、考え方であれ、人間社会に大きな影響を与えうることを見つけたり明らかしたりにできれば素晴らしい。そういうことを常に念頭に置いておかねばならないのだと思います。要するに、Science for Scienceだけでもよいのです。

時任 しかし、時世を考慮して、Science for Societyとして大いにアピールできると思われる研究に対しては、研究所として後押しして、研究所の代表としてがんばってもらう、という考えもあります。

江崎 これだけ大きな規模で、研究の自由を旨とする化学研究所です。Science for ScienceとScience for Societyのバランスをとりながら、社会に対して、基礎と応用の両面で貢献できるのは強みですよね。

時任 31研究室が全て同じことを研究する必要はなく、フロントランナーががんばって走っている間に、その後ろの一団が力を蓄え、組織として次のテーマを考える。そんな余裕を持つことだってできます。

佐藤 織田信長の長篠の合戦ですよね。最前列のすぐ後ろではもう次の弾を込めているというわけですね。


所内連絡会の意義

時任 佐藤先生には、月例の所内連絡会に出席していただいてますよね。院生を含めると、化研は300名を優に越す大所帯です。社会の状況がいろいろと変わるなかで、不平や不満を含め、いろいろな提案や情報を吸い上げることができるのは、各研究領域から人が集まるこの連絡会です。非常に大切ですよね。

江崎 あれは凄いじゃないですか。総務委員長が主宰して、院生が参加する研究領域もありますし、さまざまな問題を議論してますよね。

佐藤 かなり活発な議論が交わされることもあります。

時任 あそこで文句をいわないと何も始まらないこともあると、皆さん、わかってきたのかもしれないですね。

佐藤 逆にいうと、所内全体に向けての情報発信をもう少し心掛けたほうがいいのかなという気もします。おそらく広報室に、またお世話をいただくことになるかもしれないですが。

時任 全部が全部、解決できるわけではないけれど、どんな問題が提起されていて、それをどれだけ把握していてどこまで解決できたのか、差し障りのない範囲で示していかなくてはね。言えばここまでやってくれるんだ、と分かれば、みんな安心しますよね。そういった問題の多くは、現在、化研担当事務室が対応してくれています。しかし、細かいことも全部、手取り足取り対応していたら大変です。大事なことを取捨選択しないとね。

佐藤 正門での入構制限が厳しくなった件についても、背景にどういうことがあったのか、私たちにだって最初はそうでしたが、所内の皆さんには全く知らされませんでした。ある日突然、厳しくなったので、反発を感じた方が相当いらっしゃったと思います。その後、連絡会で少し説明をすることができたため、「まあ、しょうがないな。ただ、もう少しなんとかならないのっ?」というようなことになりましたけどね。でも、私でもまだ釈然としない気がしていますが。

時任 「法人のセキュリティ」と言われたら仕方ないですが、警備員が車道まで出てきてチェックするのは威圧的だし、車にも迷惑だと言ったら、一応、5 mほど構内に下がってくれましたね。言えば言っただけのリアクションがありましたものね。理屈が通っていれば、基本的には分かってくれますからね。あと、化研の本館は古いですから、いろいろなところが痛んでますよね。壁にしろ、床にしろ、電気にしろ、修復などが必要な場合、誰にどのようにして届け出ればいいのか分からない。そんなことを含めて、気づいたことを届け出るための目安箱的な仕組みが必要ですよね。

佐藤 ドアノブが壊れたとか、蛍光灯が切れたとか、オートロックの扉が閉まらなくなったとか、いろいろありますね。

時任 研究室で対応することかどうか、よくわからないと思うのです。所帯が大きいと、そういうことを尋ねる窓口を設けた方がよいかもしれません。あと、いろいろな建物に分散している研究室もあったりして、とくに新しく来られた先生は勝手がわからずに苦労されると思うのです。大規模ゆえの不親切さ、無神経さが出ないように、きめ細かな連絡網を設けなくてはいけませんね。化研担当事務との連携を強くする何らかの制度が必要だと、以前から思っていたのですが。

江崎 化研固有の事務部があった頃は、特に施設管理関係の業務は手厚かったですよね。専任の方が確保できていましたしね。

時任 今の体制では、宇治地区事務部の施設運用掛に行って、「化研のどこどこが壊れたので何とかしてほしい」と言っても、本当に何とかしてくれるのか、いつしてくれるのか、よく分からない場合もありますからね。

長崎 いや、本来は、それを言えないとダメでしょう。

時任 急を要すると思って施設掛に行ってみると、まず、化研担当事務室を通して下さい、と言われてしまいます。つまり「いきなり言われても困るので、宇治地区共通経費で手当すべきものかどうか、まず化研担当事務室で判断してもらってから来てください」ということなんでしょうかね。困っている人たちにとっては、研究に差し支えるので早く何とかしてほしいのに、対処してくれる窓口すらわからないという状況に直面するわけです。四つの研究所を相手にしなければならない掛には、一研究所の希望はいわば平均化されてしまい、当時者にとっては切実な要望も優先度は下がるのでしょう。いっぺんには処理できないから、まあそう急ぎなさんな、ということにもなりかねません。所内連絡会で、今後そういう不満がどんどん出てくるかもしれませんよ。

長崎 いやいや、もう既に出てきてます。

時任 研究所が四つもあって、組織が大きいのは結構ですが、血の通った気配りができないようでは問題です。かりに気配りしてくださったとしても、特定の掛員に過度の負担がかからないように、うまく運営してくださらないとまた困ります。

佐藤 「緊急時のマニュアル」は策定されていると思いますが、それだけじゃなくて、今話しにでているような場合に対応する平常時のマニュアルが本当は必要なんです。どういうときにどこに連絡するか、窓口の衆知徹底ですね。

時任 困ったときの窓口はぜひ明確にしておきたいものです。

江崎 化研担当事務室長のところへまずメールか何かで知らせるというのは、室長が大変ですかね?

長崎 宇治地区事務部の施設掛へ直接知らせてもらうよりは、ワンクッションある方がいいときもあります。でも、何から何まで総てというと、ちょっと対応しきれないかも知れませんね。

時任 宇治地区事務部に知らせずに、担当事務室の判断でうまく処理してくれた方が、かえって大袈裟な工事をしなくて済んだ、ということはあり得るんですよね。だから、化研担当とか総務委員長の過度の負担にならない程度に、何らかの窓口を設けてくださるといいのですがね。

江崎 院生にとっても、そういう窓口があれば、便利なシステムということになるでしょうね。

長崎 所内連絡会では、かつては個人的な話を持ち出され、それは話題にするようなことではないだろうと思うこともあったのですが、最近は随分変わってきました。多くの人に関係するようなことについて、「こんなことで困ってませんか?」と、問題が投げかけられたりしてますからね。

時任 有意義な情報交換をしてもらえばいいですね。

江崎 所長就任後、1年近く経つわけですけれども、最初の頃に出たきりですから、私もまた所内連絡会に出席してみないとね。

時任 「所長に直接もの申したい」という人もいるかも知れないから、時々はそういう機会を作れば、それはいいことじゃないですか。待ってましたとばかりに、ナマの意見が出るかもしれないですよ。

江崎 やっぱり一度出席したほうがいいですね。

佐藤 このあいだはドライアイスの購入方法についての話が議題に出たんですが、発議した研究室は、この話題はきっとたくさんの研究室に共通だろうと思ったのでしょうね。ところが、その場で諮ってみたら関心のある研究室は二つか三つといった程度で、そうすると考え直したほうがいいな、というようなことになりました。いろいろな意味で、所内連絡会は大切な情報交換の場だと思います。

時任 ドライアイスを共通で購入すると、保存手段や使用記録の不備のために必要以上にお金がかかることが多く無駄遣いになってしまうので、かえって各研究室個別で購入する方がいい、ということはあるんですよね。共通にするのなら、きちっとした保存容器に入れておかないと、半分ぐらいは炭酸ガスになって飛んでしまうので、購入した金額と実際に使ったつもりの金額がずれてきたりします。

佐藤 ともかくそういう話題が出てくれば、いろんな考え方があって、じゃあどうしたらいいかという当事者同士の話もできます。

時任 液体窒素の搬路の舗装の問題にしても、せっかく整地したのに、また勝手に掘り起こされたりしてね。いろんなことがあるんですよね。エレベーターも「危険物の運搬中は一緒に乗らない」という札を作ったのはいいけれど、みんながきちんと守らなくては意味がありませんね。法人化した現在は特に、事故が起きてからでは遅いので、安全教育とか安全意識を高める必要があります。最初は窮屈感があるでしょうが、習慣づければできるものです。ちょっとした努力で未然に防げる事故は、防いでいかないとね。法人化は、手間暇かかる面も増えたけれど、いい面で正すべきは、どんどん正していけばいいと思います。

↑寒剤容器搬路の改修前

↑寒剤容器搬路の改修(再整地・再舗装と塗装による明確化)後

江崎 安全衛生面は大事なことですから、しっかり対応していくべきですね。身近なところから地道に手配していくことです。所内連絡会を活用すれば、取り上げたことをいろいろと皆で考えることができ、問題解決にもつながります。

時任 何事も、杓子定規じゃなくてどこまで実態に即してやれるかですよね。

佐藤 問題が発生したときに、当面の対策をどうするかということと、長期的に何をどうしたらいいかという、二本立てで考えていく必要があります。

時任 宇治地区事務部の方針が化研全体で決めたこととかけ離れているときなどは、化研担当事務室が調整の努力をしてもらえれば助かります。さまざまな問題に関して、出された意見が全然違って、なかなか結論が出ないような場合でも、所内連絡会を通して大騒ぎしてみれば、結果的にはルールが浮かんでくるようなことだって…

江崎 ええ。回を重ねるごとに、所内連絡会を通じて自ずと化研全体に発信できるようになりますよね。

時任 せっかく昼過ぎの小1時間を使ってみんなに集まってもらっているので、無駄にしないようにしたいですね。そこでもし大事な問題が出てくれば、直ぐ後から開かれる教授会・教授懇談会に諮ることだってできるわけですから。開かれた研究所の機能として、所内連絡会は大切です。決して儀礼的なものにならないようにしなくてはね。


所内広報充実のポイント

↑広報室で編集している化学研究所の広報媒体

江崎 広報といっても、外へ向けた広報と内への広報と両方ありますよね。今の少ない人員で後者までカバーできるのかは疑問ですが。

柘植 今の広報室で担当している印刷物や出版物は基本的に外向けです。所内連絡会などで所内に向けて発信すべき情報がたくさんあって、それを扱う媒体が役立つのであれば、あってもいいかもしれません。

時任 メールニュースやメールマガジンとかね。

柘植 所内連絡会との連携で毎月発信することができるのであれば、所内広報の手段として考えてもいいかもしれないですね。

江崎 宇治地区所長会議で突然決まったことに対する素朴な疑問を寄せてもらってもいいかもしれないし、可能ならばそういう方向でお願いしたいですね。

時任 もしくは、そこに「こんなことに困ったらどうしたらいいんでしょう?」というQ&Aのページがあってもいいですよね。ホームページは大切な情報発信のツールだから、情報が充実するのはいいことですよね。

柘植 広報室でホームページを運営していけるようになったので、そういったことも扱っていけるようになりたいですね。

時任 目安箱的にみんながいつでも簡単にアクセスできるようなものがいいですね。そうするとレスポンスが早くなるし。例えば、話題によってはホームページによるのではなくて、メルマガとして配信するということでもいい。あとは直接担当する人とは別に実質的な責任者を誰にしておくかということですよね。総務委員長が受け持つのか、化研担当事務室長か、所長が見るのか、ね。

柘植 「困ったことはココへ」の「ココ」をどこにすればよいか、ということですね。

江崎 もし広報室が中心になってそういうことをやっていただけるようになれば、所員にとっても院生にとっても本当にいいことだと思います。

時任 ところで、研究所の構成員という基本的な情報についてですが、博士研究員や受諾研究員などのリストは、少なくともそれらの人たちの配置がきちんとわかった時点で、可能な限り年度始めに作るべきだと思います。また、年度始めに所を挙げて行う新入大学院生のオリエンテーションの配布資料をみれば、院生については何人来たかわかるんですが、一部の研究室で受け入れ
ている学部4年生についてはわからないですよね。それ以外にも、常勤的なポスドクの人たちで
すら、急に着任された人だったりすると、わからないこともありますしね。

佐藤 例えば21世紀COEのポスドクにしても、ほかの研究員の受け入れに準じるぐらい意味のあることですから、本当は教授会などで受け入れを承認して登録してもいいことだと思います。そんな人たちも所内の電話帳には名前が載っているんですが、きちんと認識して登録という形になっていない場合があるかもしれません。

時任 何か一覧表みたいなものがあるといいなと思います。アニュアルレポートにいくら載っていても、その発行時には、既に本人はいなかったりするから、来たときに把握できていないと意味がないと思うんですよ。年度の途中に来られる方もいるし、全部対応するのは難しいかもしれないけれど、せめて年度始めには整理しておきたいですね。

佐藤 それもホームページにしますか? 来たら「いつまでいて、どこで、どういう仕事をしていますのでよろしく」というニューフェイス紹介にして所内限定で掲載する、それぐらいなら各研究室にお願いしてもいいような気がしますね。

江崎 ほんとうは所内広報として、いろいろとやってもらいたいことはあるんですけれども、現時点では人員的に難しそうですね。

佐藤 少なくとも受け入れ研究室の責任者が忘れずにその情報を提供しなくてはね。

江崎 情報が届いたり届かなかったりと、まちまちでは、広報室で対応しきれないですよね。きちんと制度化して、皆が責任をもって報告してくれないとね。広報室の負担増に加えて、催促されたりすると結局は研究室の先生方の負担感も増しますからね。情報の正確さを保ってそれを活用していくには、所内広報やそれに伴う事務処理への理解を所内の一人ひとりに深めていただかねばなりません。全研究室の思いが一つになっていなければならないですね。

ほかを見る
掲載編 80周年を迎えて
(黄檗24号P1,2)
続編1 当面の課題
続編3 社会への情報
 発信と所内連絡体制
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続編2 化研が目指す
   学内連携
■化研創立80周年を振り返って
■研究専念のできる場所
■これからの化研
■目指すべき研究環境
■第二期中期計画に向けて
■化研の一員として
事務部再編と宇治地区連携
21世紀COEについての今後の課題
■社会への姿勢
■所内連絡会の意義
外への情報発信とその体制
■所内広報充実のポイント