化学研究所は、京都大学における最初の附置研究所として1926年(大正15年)に設立されました。したがって、来年の2026年に100周年を迎えることになります。1世紀に届こうとする時代の流れの中では科学技術の大きな進歩により人々の生活環境は激変し、目指すべき化学や社会から求められる化学も大きく変わってきました。その中にあって、化学研究所は常にその設立理念「化学に関する特殊事項の学理及びその応用を究める」を基礎に、時代の変革に柔軟かつ積極的に対応することにより、多様な先駆的・先端的な研究を展開してきました。現在は、専任教員約90名、大学院生約230名、研究員約60名、さらに研究活動を多方面から支えてくださっている職員約40名の全国でも屈指の大きな附置研究所となっています。大学研究所のみならず、広く企業や団体の組織を見渡しても、100年にもわたりその名称を変えずにかつ活発な活動を維持し続けている組織はそれほど多くありません。これは本当に誇るべきことだと思っています。
現在のように化学研究所が「化研」として研究者コミュニティーのみならず、広く世の中から認知されるに至ったのは、もちろんこれまでに在籍してきた多くの諸先輩方の卓越した業績によるものです。さらにこれに加えて、化研が卒業生を含めた多くの優れた人材を世の中に輩出してきた成果であることも疑う余地がありません。アカデミアの分野にとどまらず、産業界を中心に実に幅広い分野・業界で、多くの先輩、同輩、後輩の皆様が活躍され、素晴らしい実績を挙げておられることにも敬意をお示しするとともに、化研のプレゼンスの向上に多大な貢献をいただいていることに改めて御礼を申し上げる次第です。
化研に在籍された皆様なら直ぐに納得されるかと思いますが、化研の素晴らしさのひとつは、前述のように、分野を超えた「横の繋がり」と在籍している構成員から同窓生に至る「縦の繋がり」が強いことが挙げられます。このような化研を通じた「人の繋がり」を大切にし、それを継続・発展させるために同窓会としての機能も含めた活動を行っているのがこの「碧水会」です。現在在籍している教職員・研究員・学生等と同窓生・同窓教職員を会員として、「会員相互の親睦をはかり、その連携を密にする」ために、1949年(昭和24年)に始まった前身の親睦会組織「碧水会」を化学研究所創立80周年(2006年)を機に同窓会機能を加えて、2007年度から新生「碧水会(同窓会)」として活動を開始しました。数えると、この碧水会も今年で76年の歴史を刻むことになります。化研に在籍された皆様にとって、当時の数々の思い出の中には必ず「碧水会」が出てくるのではないかと思います。
新型コロナ感染症はWHOの緊急事態宣言終了の発表を受け、日々の生活はパンデミックの終息を思わせます。化学研究所の研究を中心とする多くの活動もまさに混乱期を終えた新時代への飛躍を迎えています。この碧水会も夏の涼飲会に併せた同窓会総会、春秋のスポーツ大会の活動など、コロナ禍での中断を経たためにかえって新鮮な気持ちでの再生をはかっています。様々な活動の一端は、このホームページを通して、広く皆様にお伝えしていく予定です。特に、7月下旬に開催を予定している「涼飲会」は「碧水会(同窓会)」が主催するものです。同窓生の皆様には是非足をお運びいただきたいと思っております。お待ち申し上げております。
化学研究所「碧水会」の活動に今後ともご支援くださいますようよろしくお願い申し上げます。
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