第16回高校生のための化学-先端高度研究の一端を学ぶ-

主 催:   京都大学化学研究所    
協 賛: 公益社団法人 日本化学会    
日 時: 平成25年7月27日(土)10時30分(開場10時)~17時00分  
会 場: 京都大学宇治キャンパス 化学研究所
共同研究棟 大セミナー室 および各見学サイト(研究室、研究施設など)
(10時30分までに共同研究棟大セミナー室にお集まりください。)
〒 611-0011 宇治市五ヶ庄
 
  JR奈良線または京阪宇治線「黄檗(おうばく)」駅下車、徒歩約 7分
〔アクセスマップなどはこちら〕
 
対 象: 高校生
 京都大学化学研究所は次代を担う高校生に、化学(広くは科学)の奥深さと高度研究の醍醐味をより一層深く理解していただくため、「高校生のための化学」を開催しています。化学(科学)に興味をお持ちの意欲的な高校生の積極的な応募をお待ちいたしております。
 なお、開催趣旨に従いまして、対象は高校生に限定しております。また、中学3年程度およびそれ以上の理科を理解していることが望まれます。
自主的意欲的な学生を対象としておりますので、できるだけ教員、引率の参加はご遠慮ください。
 
参加費: 無料    
プログラム: 午前中は化学研究所の笹森 貴裕准教授による講演を行います。午後からは10カ所の見学サイトの中から、1カ所を訪問し、最先端の研究現場を見学・体験します。
詳細なプログラムおよび選択可能な見学サイトはこちら
 
定 員: 100名
(※ご希望のサイトが定員を超過している場合は、ご参加いただけませんので、あらかじめご了承ください。)
 
申込方法: 登録フォームに必要事項を記入のうえお申し込みください。
受付は原則、先着順とします。ただし、同一高校から多数の申し込みがあった場合は、参加者数を制限させて頂くことがありますので、あらかじめご了承ください。
受講の可否につきましては、7月18日(木)までにメールにてご連絡いたします。指定の日までに連絡が届かない場合は、電話 (0774-38-3353)にてお問い合わせください。
申し込みはこちらから(申込用フォーム)
 
申込期日: 平成25年7月8日(月)必着  
問合先: 京都大学 宇治地区事務部 研究協力課「高校生のための化学」担当
E-mail:kokai@uji.kyoto-u.ac.jp
 
個人情報
について:
申し込みの際にご記入いただきました個人情報につきましては、厳重に管理しますとともに、第16回高校生のための化学の開催のみに使用し、他の目的に使用することはありません。  

プログラム

10:00
開場(共同研究棟 大セミナー室にお集まりください)


ポスター(PDF)

10:30-11:00
概要説明
 ・所長挨拶
11:00-12:00
「講演 : 元素周期表を眺めてみよう」
准教授 笹森 貴裕
12:00-13:00
「昼食休憩」
※当日、大学生協の食堂が営業していますので、ご利用ください。
13:00-13:30
各サイトの説明・移動
13:30-16:30
サイト見学と研究体験・自由討論
見学サイト(1 2 3 4 5 6 7 8 9 10)からお選びください
16:30-17:00
アンケート記入

見学サイト

1 重い元素の世界~青いケトン~ (有機化学)
  有機化合物は、一般に炭素、窒素、酸素、水素等の低周期元素からできており、生物を構成するだけではなく、 日用品や薬品等、様々な形で生活に利用されています。一方、有機化合物の構成元素を高周期元素(重い元素)で置き換えた化合物は、様々な色を持つなど、通 常とは異なる性質を示します。本サイトでは、ケトン(>C=O)の酸素を重い元素である硫黄で置き換えた「重いケトン」を実際に合成して、どんな色を持つ のかを実際に見ていただきたいと思います。
 
2 細胞内現象の顕微鏡観察 (細胞生物学)
  細胞内で起こっている現象をどのように解析すればよいでしょうか?顕微鏡 観察はそのための強力な手段です。細胞の中には、核やミトコンドリアをはじめ、様々な細胞小器官が存在します。これらは、蛍光・染色試薬を使って見ること ができます。また、緑色蛍光タンパク質(GFP)などを利用することで、タンパク質の動きも可視化できます。本サイトでは、細胞内現象を顕微鏡観察によっ て解析します。
 
3 きて、みて、さわって、化学はこんなに面白い! (有機化学、天然物化学)
  普段何気なく接している匂いや味は、どれも立派な「化学物質」です。その正体を、 五感を駆使して体験してみましょう。実際に化学物質を嗅いだり、舐めたりしてみる と、意外にも身近な匂いと味がします。驚くようなニオイや予想外の味にも遭遇できます。 生物(人間)と化学物質の関わりを、みずから体験しながら理解します。分子はとて も小さいけれど、ちゃんと「見る」方法があります。レモンの香り物質は、水にとけ ない油やマジック、ゴムも溶かしてしまいます。いろいろな有機化合物を、実際に手 にとって、きて、見て、さわって、体験してみましょう。ナビゲーターは化学好きの 大学院生。お楽しみに。
 
4 光の性質と分子の構造 (物理化学)
  分子は原子がつながってできていますが、そのつながり方(分子構造)はど のようにして実験的に決めるのでしょうか。高校化学では、元素分析によって炭素・水素・酸素の原子数の比を求める手法を習いますが、それだけでは構造は決 まりません。分子の化学結合が光を吸収する性質を使うと、この問題に取り組めます。物理で習う光と化学は密接な関係にあるのです。大学化学の代表的な一分 野である、この考え方の入り口を紹介します。
 
5 高分子の結晶化過程の観察 (高分子物理)
  「結晶」と聞くと宝石や金属などの比較的硬い材料を想像するのではないで しょうか?柔軟性に富む材料のプラスチックも微視的に見ると結晶になっていることが判ります。防弾チョッキや自動車のバンパーなどの様に強度と軽量化が同 時に要求される性能は、プラスチックの結晶によってささえられているのです。このサイトでは、顕微鏡等を用いてプラスチックが宝石にも負けないくらい美し い結晶を形づくる様子を観察します。  
 
6 分子がつくる半導体の中の電子 (有機固体物性)
  エレクトロニクスを担う半導体と言えばシリコンがまず挙がるでしょう。し かし、有機物の分子がつくる半導体も、60年ほど前に発見され、今や、エレクトロニクスの一翼を担う時代を迎えています。分子が集まってできる有機半導体 について、化学的な特徴や光による物理的な効果などを、その中の電子の振舞いに注目して考えてみませんか。そして、その先に何を期待するか、研究室のメン バーと一緒に思い描いてみてください。
 
7 高強度の光がつくる虹色 (高強度レーザー科学)
  光の世界といわれている21世紀の光技術の根幹を担っているのがレーザー です。太陽からの眩しい光線を虫眼鏡で集めると紙片を燃やします。そのような光線 も透明な水やガラスは透してしまいます。一方、強力なレーザー光線では透明な水からなんと虹色の光が現れます。本サイトでは高強度レーザー装置の見学レー ザー光線をつかったミニ実験を通して先端光科学の一端に触れてもらいます。
 
8 この好い香り 何かな? クロスカップリングで匂い分子を合成! (有機合成化学)
  見えたり触れたりできない空気のように見えない物質も、水のような透明で 味のない物質も、すべての物質は原子と分子からできています。目には見えないけれど、確かにそこに存在する香水や花の香り。その正体である『香料分子』の 構造を学んでから、2010年に鈴木先生、根岸先生がノーベル化学賞を受賞したクロスカップリング反応で、目的の香料分子を合成します。医薬品の製造など にも応用される、最先端の有機合成を実体験しましょう。
 
9 遺伝子データのコンピュータ解析 (バイオ情報学)
  生物の設計図は基本的にDNA配列に書かれています。でも、その量は人間 の場合でもCD-ROM一枚に収まる程度です。ちょっとしたゲームソフトより少ない量なのです。その理由はとても不思議でまだほとんどわかっていません。 しかし、一部分の配列データについては、コンピュータを使ってその意味や性質を予測する方法が世界中で数多く開発されてきました。それらのプログラムのい くつかを体験して頂きたいと思います。
 
10 光で探るナノ物質の世界(ナノ光科学)
  物質のサイズをナノメートル(10億分の1メートル)程度まで小さくして いくと、通常の物質にはない特異な性質が発現します。そのような性質を活かし、ナノ物質は様々な分野で利用されています。ナノ物質の性質を調べる有効な方 法の一つに、光を利用した測定があります。当見学サイトでは、様々な光の性質を実験を通じて理解していただくとともに、それを駆使することで明らかになる ナノ物質の不思議を紹介します。