強磁性体の磁区と磁区の境界を磁壁と呼びます(図1)。磁壁はナノスケールの磁化のねじれ構造で、これを電流で移動させることが可能であることを京大グループが2004年に示しました(Phys. Rev. Lett., 92 (2004) 077205)。その後、この現象を利用した新規メモリ素子がIBMやNECにより提案されました(図2)。これらの新規メモリは、半導体メモリを凌駕する大容量性・高速性・低い消費電力を兼ね備えた廉価な不揮発性磁気メモリとして期待されています。これまで精力的な研究が行われてきましたが、情報保持の安定性と低消費電力化を両立するのは困難と考えられてきました。